パソコンでカメラを制御して撮影を行う「テザー撮影(リモート撮影、連結撮影)」の流れについてご説明します!

パソコンでカメラを制御するテザー撮影(リモート撮影)入門!のイメージ画像
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クリエイター最終更新日: 20180914

パソコンでカメラを制御するテザー撮影(リモート撮影)入門!

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「テザー撮影」と言っても、ピンとくる人は少ないと思いますが、リモート撮影、連結撮影と呼ばれることもあります。簡単に言うと、カメラとパソコンを接続して、制御をして撮影をする機能の事です。
スタジオ撮影をするプロカメラマンは、テザー撮影を行うのが基本です。撮影した写真をその場ですぐ、PCで確認できるというメリットがあります。また、カメラに触れずに撮影ができるので、カメラの位置や撮影条件を変えないで撮影をしたい時に便利です。
今までは機材やソフトも高価でしたが、最近はカメラもソフトウェアも手に入れやすい価格帯となり、一般の方が行うのにも敷居が低くなりました。今回は身近になったテザー撮影の流れについてご説明します!

テザー撮影が身近になりつつある

テザー撮影が身近になりつつある要因

ミラーレスカメラが、小型で高機能になり、さらに手頃な価格帯(数万円〜20万円程度)で手に入るようになってきました。手頃な価格帯というのは少し語弊があるかもしれませんが、一般的なユーザーも高機能なカメラを手にすることが増えて来た傾向もあるとも言えるでしょう。つまり、一般的なカメラユーザーもプロと同じカメラを使うようになってきたとも言えます。

また、テザー撮影の機能がある写真管理ソフトウェアが無償、または月額1000円程度で利用できるようになってきました。そして、カメラメーカーも独自のソフトウェアを準備して、そのソフトウェアでしか出来ない撮影方法も登場しています。

高機能で小型なノートパソコン、タブレットPC、2in1パソコンが増えて、さまざまなシーンでもパソコンを持ちこみやすくなりました。また、高解像度のディスプレイの機種も増え、鮮明な画像を確認して、撮影ができるようになり、利便性も向上してきたのでしょう。

例えばオークションなどに出品する写真の撮影、失敗をしたくない家族写真の撮影などでも、気軽にテザー撮影を試すことが出来ます。お店を経営されている方の商品撮影や、大勢の人で構図や配置などを確認することの多い料理の撮影なども、テザー撮影を行うとスムーズに進めることができます。

パソコンにカメラを接続したまま撮影ができ、セッティングを変えずに大きな画面で写真の確認ができるパソコンにカメラを接続したまま撮影ができ、セッティングを変えずに大きな画面で写真の確認ができる

また、俯瞰で撮影する時など机の上や天井など人の目で見てカメラ操作し難い場合なども、パソコン側でピントやシャッター操作できるテザー撮影が便利です。ただし、アングルや構図の変更は人の手が必要です。
撮影してすぐに編集作業が出来ることも作業効率が上がり仕事として撮影することが多い方には非常に便利でしょう。

構図やライティングは定点で連続して撮影することが必要とされるクレイアニメの製作では画面を確認しながらコマ撮り撮影できる為、テザー撮影はなくてはならない手法です。
試しにクレイアニメを作ってみました。

テザー撮影を用いて制作したクレイアニメーションテザー撮影を用いて制作したクレイアニメーション

クレイアニメーションの撮影風景クレイアニメーションの撮影風景

テザー撮影に必要なソフトウェアや機材は?

・三脚
・背景紙(撮影ブース)
・照明
・パソコン
・カメラ
・テザー撮影ソフトウェア
・USBケーブル

パソコンとカメラはもちろんですが、テザー撮影を便利に進めるための道具として、三脚、背景紙、照明が挙げられます。

三脚、背景紙、照明があるとテザー撮影がスムーズになる三脚、背景紙、照明があるとテザー撮影がスムーズになる

三脚は一眼レフカメラを支えられるものであれば通常よく用いられるタイプの三脚で問題ありませんが、途中でカメラの位置が変わってしまわないよう、安定感のあるものを選ぶとよいでしょう。

背景紙(バックシート、ホリなどとも呼ばれます)は対象物だけをはっきり映したい時、あとから切り抜き加工等をしたい場合などに便利です。上記の撮影風景にあったように、大きめの紙を壁から床または机に垂らして、壁面と床面の境目が目立たないように使用します。
最近はボックス型になった小型の撮影ブースセットも販売されていますので、撮影するものにあわせて選びましょう。

照明も撮影条件を一定にするため、テザー撮影時には用いられることが多いです。フラッシュと連動するものや常時点灯させるもの、上記撮影ブースにセットされているものなど様々な種類のものがありますが、家庭などでの撮影時には上記「クレイアニメーションの撮影風景」の写真にあるように、常時点灯しているものが使いやすいでしょう。
なお、今回の説明では短時間で枚数の少ない撮影ということもあり、自然光で撮影をしています。

ノートパソコンとカメラ

パソコンは、ディスプレイが大型か高解像度のノートパソコンがあれば、良いでしょう。今回は、RAW現像[Lightroom]向け15型4K薄型ノートパソコンを使って試してみます。

カメラは今回、ソニーのミラーレス一眼α7s」を使用しますが、他のメーカーのミラーレスや一眼レフカメラでもテザー撮影に対応しているカメラは多数あります。

ちなみに同じソニーのαシリーズでは『α7R III』という機種では、より高解像度での撮影が可能かつテザー撮影時のカメラ→パソコンへの画像転送速度が速く、この後のご説明でも使用しているソフトウェア「Imaging Edge」と一緒に使うことでより忠実な色再現処理(ピクセルシフトマルチ撮影)にも対応していたりと、一層テザー撮影に適したものになっているようです

テザー撮影用のソフトウェアは、各カメラメーカーのカメラに対応したアプリケーションが提供されていますが、今回使用するソニーのカメラ向けのアプリケーションとしては下記のようなものあります。
・Remote Camera Control
・Imaging Edge
他社からもソニー向けに無償ソフトウェアが提供されています。
・Capture One Express (for Sony)

もちろんその他カメラメーカーにもそれぞれテザー撮影ができるソフトウェアが用意されていますので、お使いのカメラに合わせてソフトウェアを準備してください。

今回は、2017年11月にリリースされたばかりのImaging Edgeを使ったテザー撮影を試してみます。

Imaging Edgeの基本的な使い方

まずは、ソニーのImaging Edgeのサイトから、ソフトウェアをダウンロードしましょう。

Imaging Edgeのウェブサイト

Imaging Edgeの3つのソフトウェア

精緻な作品づくりを支援する3つのソフトウェア

3つのアプリケーションから、構成されています。

・Remote(撮影)
・Viewer(表示)
・Edit(加工)

各ソフトウェアの名の通りの機能がそれぞれにあります。テザー撮影の場合は、Remoteで撮影を行い、Viewerで撮影した画像群を確認して、加工したい画像を選び、Editで画像編集を行い、RAW現像をすることが可能です。

AdobeのLightroomのような写真管理ソフトウェアと比べると、ソフトウェアが分かれているのは珍しい感覚です。モデリングとモーションにソフトウェアの役割が分かれている3Dソフトウェアと、ソフトウェアのコンセプトは近いのかもしれません。

各ソフトウェアは、非常にシンプルな内容になっており、サイトに紹介されている取扱説明もいたって簡易で、すぐに確認出来てしまうボリュームです。

テザー撮影を実際にしてみる

今回の撮影では、三脚にカメラを固定して、撮影します。
三脚は、ミラーレスカメラや一眼レフカメラを下向きに固定ができる写真用の三脚を用意して、卓上にある貝殻を撮影します。

三脚

真上から撮影する場合、カメラの画面をのぞきこみにくい。そして、のぞきこむと、太陽光や照明の光を体で遮ってしまう可能性があるため、テザー撮影の一例として、このシチュエーションを選びました。

貝殻

パソコンとカメラをつなげる

Micro-B端子のUSBケーブル

カメラとパソコンをつなげるには、USBのMicro-B端子のケーブルが必要になります。購入時にカメラに付属しているケーブルか、デジカメ用のUSBケーブルを使用します。スマホ充電用のケーブルでは、対応できないため、注意が必要です。撮影に使いやすいように、1.5メートルのケーブルを使用しました。

ソフトウェアの接続設定

パソコンにも、USBケーブルをつなげ、Remoteを立ち上げると、すぐにカメラの映像が表示されました。特に設定を行っていないため、映像ケーブルを差し込んだかのような簡単さに驚きましたが、これが純正ソフトウェアのメリットとも言えるでしょう。

接続してソフトウェアを立ち上げるだけでカメラの画像が表示された接続してソフトウェアを立ち上げるだけでカメラの画像が表示された

今回撮影に使用したパソコンのディスプレイは4Kディスプレイ(3840×2160ピクセル)ですので、必要に応じてディスプレイ設定の変更などを行い、表示を調整します。

必要に応じて表示を調整する必要に応じて表示を調整する

ディスプレイ設定から、[テキスト、アプリ、その他の項目のサイズを変更する]で文字の大きさを調整します。

「テキスト、アプリ、その他の項目のサイズを変更する」でサイズを調整「テキスト、アプリ、その他の項目のサイズを変更する」でサイズを調整

ディスプレイ上での表示を調整した後の画面ディスプレイ上での表示を調整した後の画面

カメラの制御

表示されている画像は、もちろんライブビューの状態になっているので、カメラを動かすとソフトウェアの画像も動き、確認することができる。
メニュー画面を見ると、ほとんどのカメラ操作が行えることがわかります。

カメラの制御

静止画撮影は当然のことですが、動画撮影、インターバル撮影まで出来てしまう。インターバル撮影は、カメラのみだと有料アプリを購入しなければ撮影することができないのでありがたい機能です。

グリッドの表示もでき、レイアウトの確認もしやすいグリッドの表示もでき、レイアウトの確認もしやすい

その他の制御可能な機能と対応機種については各メーカーのホームページを確認しましょう。

機能と対応機種をWebサイト等で確認機能と対応機種をWebサイト等で確認

実際に撮影してみる

撮影の設定は、メニューか、右側のアイコン、パラメーターから操作して行います。

「撮影設定」メニューの項目「撮影設定」メニューの項目

画面右側のアイコン、パラメータ表示の例画面右側のアイコン、パラメータ表示の例

シャッタースピード、絞り、ホワイトバランス、ISO感度、画像のサイズ、種類、ドライブモードの設定など、各種の撮影設定が変更可能です。
カメラマークを押すと、シャッターが切られ撮影することが出来ます。
カメラのメモリーカードには保存されず、パソコンのハードディスクにしか保存されないことは注意が必要です。

データの確認

撮影すると、Viewerのウィンドウが、前面にきて画像を確認することができます。Remoteに戻ると、続けて撮影ができ、Viewerに画像が追加されていきます。

撮影するとViewerのウィンドウが前面に表示され画像を確認できる撮影するとViewerのウィンドウが前面に表示され画像を確認できる

サムネイルを選択すると、画像を大きく表示できます。

サムネイルをクリックすると画像が大きく表示されるサムネイルをクリックすると画像が大きく表示される

もちろん、写真の撮影情報も確認することができます。

ツールバーの「撮影情報」ボタンをクリックすると撮影情報が確認できるツールバーの「撮影情報」ボタンをクリックすると撮影情報が確認できる

Viewerでは写真のレイティングやラベルなどをつけて、仕分けをすることもできます。
カメラとパソコンを接続して行うテザー撮影は、撮影から撮影画像の表示、整理まで一気に進められるのが大きなメリットです。

次に、Editの方へ移り、写真のRAW現像(撮影時にカメラの設定でRAWデータを選択していた場合に調整等が可能な汎用的な画像形式に変換する)やレタッチを行います。

データのレタッチ(修整)

Editでは、右側に各種パラメーターがあり、ここでレタッチの操作を行います。また、二画面表示の設定も行え、元画像とレタッチ後の変化を確認しながら、画像の調整が行えます。

元画像とレタッチ(修整)後の変化を確認しながら調整ができる元画像とレタッチ(修整)後の変化を確認しながら調整ができる

Editの画像修整機能は、とても充実していて無償ソフトウェアとは思えないほどです。

充実した機能でスムーズに修整できる充実した機能でスムーズに修整できる

テザー撮影をするメリットは?

最後に、テザー撮影をした場合のメリットを整理してみました。

・カメラ本体よりも大きな画面で撮影画像を見られる。フォーカス、ガイド、オーバーレイ表示なども可。
・複数のスタッフによる撮影でも、画像が確認しやすい。
・カメラの位置が特殊でも、画像が確認したすい。
・撮影ミスも発見しやすく、すぐに再撮影ができる。
・写真の加工もすぐに行える。
・データがパソコンに転送されるため、データのトラブルも少ない。

今回は「α7s」と「Imaging Edge(Remote / Viewer / Edit))で撮影〜画像の確認〜修整の流れを見てきましたが、他のカメラメーカーや、ソフトウェアメーカーからもテザー撮影時の作業をスムーズに行うためのソフトウェアがリリースされていますので、ぜひお手持ちのカメラでテザー撮影に挑戦してみてください!

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ライタープロフィール パソコン工房NEXMAG
[ネクスマグ] 編集部

パソコンでできるこんなことやあんなこと、便利な使い方など、様々なパソコン活用方法が「わかる!」「みつかる!」記事を書いています。
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