8月13日更新。第2世代のRyzen Threadripper 最上位モデル2990WXをいち早く入手!早速試してみました。

気になる製品最終更新日: 20180914

Threadripper 2990WX速攻ベンチマーク

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第2世代Ryzenが登場してから3か月以上が経過し、ようやく第2世代Ryzen Threadripperが発表されました。 第2世代Ryzenは第1世代Ryzenからの確実なるステップアップが図られており、第2世代Ryzen Threadripperも第1世代Ryzen Threadripperからの更なる高速化が期待されます。今回は、最上位モデルであるRyzen Threadripper 2990WXをいち早く入手出来ましたので、早速試してみました。

第2世代Ryzen Threadripper 2990WX / 2950X登場

第2世代Ryzen Threadripper では、Ryzen Threadripper 2990WXなどのように型番の末尾に「WX」が付くクリエイター向けと、Ryzen Threadripper 2950Xなどの「X」が付くゲーミング向けとの2種類に区分されるようになりました。今回発売されるRyzen Threadripper 2990WXのクリエイター向けのCPUでは、コア数、スレッド数を増加させ、驚異的なマルチスレッド性能へ特化する事で高速化を図っています。

第2世代Ryzen Threadripperの特徴

■12nm「Zen+」アーキテクチャを採用
■コンシューマー向けとしては初の最大32コア/64スレッド
■32コアでありながら動作クロック3.0GHz、最大で4.2GHzを実現
■ソケットTR4に引き続き対応し、チップセットはX399チップセットを使用(※ただしBIOSの対応が必要)

などが挙げられます。

第2世代Ryzen Threadripper 2990WX その1第2世代Ryzen Threadripper 2990WX その1

第2世代Ryzen Threadripper 2990WX その2第2世代Ryzen Threadripper 2990WX その2

第1世代Ryzen ThreadripperのTDPは180Wでしたが、Ryzen Threadripper 2990WXのTDPが250Wとなっています。従来のX399チップセットマザーボードでもBIOSをアップデートすることでRyzen Threadripper 2990WXに対応することができますが、TDP250Wのため、マザーボードのCPU電源回路周辺がかなり熱くなることや、CPU自体の発熱に対応できるよう、CPUクーラーをより強力なものに変更するなど、対策をしっかりと行う必要があります。

また、Ryzen Threadripper 2990WXのパフォーマンスを発揮させるためには、CPUの補助電源8ピンが2本ついているマザーボードを選択される方が良いようです。

今回、ベンチマークテストを行ったマザーボード「MSI X399 GAMING PRO CARBON AC」では、事前に第2世代Ryzen Threadripper対応BIOSに更新しておかないと、起動しませんでした。事前に対応BIOSへの更新が必要となりますので、注意して下さい。

Ryzenシリーズ スペック比較一覧表

  Ryzen Treadripper
2990WX
Ryzen Treadripper
2950X
Ryzen Treadripper
1950X
Ryzen Treadripper
1920X
RYZEN 7
2700X
RYZEN 7
2700
製造プロセス 12nm 14nm 12nm
コア/スレッド 32/64 16/32 16/32 12/24 8/16 8/16
動作クロック 3.0GHz 3.5GHz 3.4GHz 3.5GHz 3.7GHz 3.2GHz
Boostクロック 4.2GHz 4.4GHz 4.0GHz 4.0GHz 4.3GHz 4.1GHz
L2キャッシュ 16MB 8MB 8MB 6MB 4MB 4MB
L3キャッシュ 64MB 32MB 32MB 32MB 16MB 16MB
メモリ 対応メモリ DDR4-2933 DDR4-2667 DDR4-2933
チャネル数 4 2
TDP 250W 180W 180W 180W 105W 65W
64bitコード AMD64
対応ソケット Socket TR4 Socket AM4
対応チップセット AMD X399 AMD 300/400 シリーズ

Ryzenシリーズでのスペック比較一覧表

荒っぽく大雑把な言い方をすれば、Ryzen 7 2700を4個くっつけた物がRyzen Threadripper 2990WX、Ryzen 7 2700Xを2個くっつけた物がRyzen Threadripper 2950Xといった感じです。

AMD公式の発表によれば、CineBench R15において、Ryzen Threadripper 2990WX はCore i9-7980XE の1.5倍の性能を示したとの事で、圧倒的なパフォーマンスを示してくれることが期待されます。

CineBench R15にてRyzen Threadripper 2990WXとCore i9-7980XEのベンチマーク結果CineBench R15にてRyzen Threadripper 2990WXとCore i9-7980XEのベンチマーク結果

それでは、クリエイター向け最上位モデルであるRyzen Threadripper 2990WX の実力を、ベンチマークを通して見て行きましょう

第2世代Ryzen Threadripper 2990WXベンチマークテスト

PassMark PerformanceTest

まずはCPUの全体的な性能を数値化するPassMarkの『CPU Benchmarks』を用いてCPUの演算性能を見てみましょう。

CPU Markにて第2世代Ryzen Threadripper 2990WXのベンチマーク結果CPU Markにて第2世代Ryzen Threadripper 2990WXのベンチマーク結果

驚くことに、総合指数のCPU Markでは、Ryzen Threadripper 1950Xにも届かない結果となりました。こうなった要因を探るべく、CPU Benchmarksの要素をひも解いていくと、非常に特徴的な結果が見られました。Integer Maths(整数演算)やFloating Point Math(浮動小数点演算)ではCore i9-7980XEの倍以上のスコアを記録するなど、32コア/64スレッドの威力を見せ付けてくれています。

一方、Prime Number(素数演算)とPhysics(物理演算)につていは、Ryzen 7 2700 に近いスコアに留まっており、この点がCPU Markのスコアを押し下げる要因となっています。

整数演算にて第2世代Ryzen Threadripper 2990WXのベンチマーク結果整数演算にて第2世代Ryzen Threadripper 2990WXのベンチマーク結果

浮遊小数点演算にて第2世代Ryzen Threadripper 2990WXのベンチマーク結果浮遊小数点演算にて第2世代Ryzen Threadripper 2990WXのベンチマーク結果

素数演算にて第2世代Ryzen Threadripper 2990WXのベンチマーク結果素数演算にて第2世代Ryzen Threadripper 2990WXのベンチマーク結果

SSE演算にて第2世代Ryzen Threadripper 2990WXのベンチマーク結果SSE演算にて第2世代Ryzen Threadripper 2990WXのベンチマーク結果

圧縮にて第2世代Ryzen Threadripper 2990WXのベンチマーク結果圧縮にて第2世代Ryzen Threadripper 2990WXのベンチマーク結果

暗号化にて第2世代Ryzen Threadripper 2990WXのベンチマーク結果暗号化にて第2世代Ryzen Threadripper 2990WXのベンチマーク結果

物理演算にて第2世代Ryzen Threadripper 2990WXのベンチマーク結果物理演算にて第2世代Ryzen Threadripper 2990WXのベンチマーク結果

ソートにて第2世代Ryzen Threadripper 2990WXのベンチマーク結果ソートにて第2世代Ryzen Threadripper 2990WXのベンチマーク結果

明らかに得意な処理、不得意な処理が出ています。メモリの処理方法をUMA、NUMAモードに変更して試しても傾向は同じでした。

3D Mark Time Spy

続いて、『3D Mark Time Spy』のCPU Scoreで、CPUの演算性能を見てみましょう。CPU Scoreは、CPUに物理演算をさせてその処理速度を数値化したもので、CGレンダリングや動画のエンコードと同じくCPUのコア・スレッド数の多さが有利に働きます。

3D Mark Time Spyにて第2世代Ryzen Threadripper 2990WXのベンチマーク結果3D Mark Time Spyにて第2世代Ryzen Threadripper 2990WXのベンチマーク結果

3D Mark Time Spy Extremeにて第2世代Ryzen Threadripper 2990WXのベンチマーク結果3D Mark Time Spy Extremeにて第2世代Ryzen Threadripper 2990WXのベンチマーク結果

Time Spy(2560x1440)ではRyzen 7 2700 に近いスコアに留まる一方で、より高解像度のTime Spy Extreme(3840x2160)ではCore i9-7980XEに肉薄しています。良く見ると、Threadripper 2990WXのスコアは解像度の異なる2つのテストであってもスコアがほとんど変わっていません。高負荷時に対しての余力が大きいのかも知れません。

第2世代Ryzen Threadripper 2990WXを試してみた結果

ベンチマークの結果から言えることは、Ryzen Threadripper 2990WXはコア数/スレッド数を強化するといった、用途特化型の仕様となっているようです。物理演算処理など一部の性能を犠牲にしているようにも見え、ゲーミング性能を測定するようなベンチマークでは性能が今一つとなるようです。

PassMarkの結果から見て、得意な分野では圧倒的とも言えるほどのパフォーマンスを示す一方で、Prime numbersやPhysicsなどの苦手な分野でのパフォ-マンスは伸び悩み、かなり得手不得手がはっきりとしたCPUにみえます。現時点での推測ではありますが、AVXの命令セットの処理が使用されているかどうかがパフォーマンスの大きな分かれ目になっていそうです。

特徴的な仕様を活かせる用途であれば、Ryzen Threadripper 2990WXは圧倒的なパフォーマンスを発揮してくれる事でしょう。

第2世代Ryzen Threadripper 2990WX 搭載BTOパソコン発売!

第2世代Ryzen Threadripper 2990WX を搭載したBTOパソコンがパソコン工房のiiyama PC から発売となりました。

・エクストリーム・ゲームパソコン LEVEL∞ F-Class
Ryzen Threadripper 2990WX[32コア]とGeForce GTX 1080 Ti搭載
 LEVEL-F039-LCRT2W-XNVI [Windows 10 Home]

ライタープロフィール 職人5号

Windows2000登場前からほぼ一貫してPC製造部門に従事。PC組立はもちろん、OSイメージの作成や製造時のトラブルシュートを行う。 その経験を生かしてOSの基本情報や資料室を担当する事が多い。

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