フルHD用ゲーミングGPUに位置付けられるRadeon RX 6600が発表されました。ここでは発売予定時刻や基本スペックなどを紹介します。

気になる製品最終更新日: 20220121

AMD Radeon RX 6600グラフィックス 発売情報・ベンチマークレビュー

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【1/21 更新】Radeon RX 6600ベンチマーク記事を追加いたしました。
Radeon RX 6600はAMDより10月13日に発表が行われ、日本では10月14日(木)11時に発売となりました。今回はこのRadeon RX 6600について、ベンチマークテストを通してその性能を確認して行きます。

Radeon RX 6000シリーズ について

AMD Radeon RX 6000 シリーズ は、AMD RDNA 2アーキテクチャーを搭載したAMD社の最新グラフィックスカードです。鮮やかなビジュアルで新世代のゲーミングに強力に対応し、一段階上のゲーム体験を実現します。
臨場感あふれるゲーミング・テクノロジーとDirectX 12 Ultimateに対応し、今まで以上に没入感のあるゲーム体験を実現します。AMD RDNA 2アーキテクチャーに最適化されたDirectX Raytracing (DXR)、可変レート・シェーディング (VRS)、AMD FidelityFX機能により実現するリアルな光、影、反射が備わった豊かなディテールでゲームをお楽しみいただけます。

Radeon RX 6600 スペック情報

Radeon RX 6600とRadeon RX 5600 XTを比べると、Stream Processor数は20%ほど減少していますがブーストクロックが最大で900MHz以上向上しており、結果としてFP32 FLOPS(単精度FLOPS)が20%以上増加しています。加えてRay AcceleratorsやInfinity Cacheの搭載といった機能面でも強化されています。

Radeon RX
6600 XT
Radeon RX
6600
Radeon RX
5700 XT
Radeon RX
5700
Radeon RX
5600 XT
アーキテクチャー RDNA 2 RDNA
GPUコア Navi 23 Navi 10
製造プロセス 7nm
Stream Processor 2048基 1792基 2560基 2304基 2304基
Ray Accelerators 32基 28基
定格クロック 1605MHz 1465MHz 1130MHz
ゲームクロック 2359MHz 2044MHz 1755MHz 1625MHz 1375MHz
ブーストクロック 2589MHz 2491MHz 1905MHz 1725MHz 1560MHz
FLOPS(FP32) 10.60TFLOPS 8.93TFLOPS 9.75TFLOPS 7.95TFLOPS 7.19TFLOPS
メモリタイプ GDDR6
メモリ容量 8GB 6GB
メモリクロック 16Gbps 14Gbps 12Gbps・14Gbps
メモリバス幅 128bit 256bit 192bit
メモリバス帯域幅 256GB/s 224GB/s 448GB/s 288GB/s・336GB/s
Infinity Cache 32MB
TBP 160W 132W 225W 180W 150W
補助電源 8Pin 8Pin + 6Pin 8Pin

~スペック比較一覧~
※メーカーによる事前情報です。最終スペックと異なる場合があります。
※Balance設定時の動作クロックとなります。

Radeon RX 6600ベンチマーク情報

それでは、Radeon RX 6600のベンチマークテストを実行していきましょう。
比較対象は、上位モデルとなるRadeon RX 6600 XTとRadeon RX 5000シリーズからRadeon RX 5600 XTとRadeon RX 5700を 、GeForce RTXシリーズからGeForce RTX 3060と GeForce RTX 2060を用意いたしました。テスト解像度はフルHD(1920 x 1080)とWQHD(2560 x 1440)の解像度にて行っています。また、3D Markでは、CPU性能の依存度が少ないGraphics Scoreでの比較となります。
GeForce RTX 3060はブーストクロックが標準よりも30MHzほどクロックアップされたOCモデルを使用していますので、標準クロック動作のモデルよりもベンチマークスコアは高くなっていると思われます。
※ベンチマークテストで用いた構成は末尾に記載しています

3D Mark 「Fire Strike」

まずは、DirectX 11 の代表的ベンチマークとして、3D Mark 「Fire Strike」 のGraphics Score を見てみましょう。テスト解像度は、フルHDのFire Strike とWQHD のFire Strike Extremeとなります。

~3D Mark Fire Strike~~3D Mark Fire Strike~

Radeon RX 6600が上位モデルとなるRadeon RX 5700を上回るスコアを出しています。Radeon RX 5600 XTやGeForce RTX 3060に10%近いスコア差を付けるなど、メインターゲットとなるフルHD解像度で十分な性能を示しています。

3D Mark 「Time Spy」

次に、DirectX 12の代表的ベンチマークとして、3D Mark 「Time Spy」 のGraphics Scoreを見てみましょう。テスト解像度は、WQHDのTime Spyとなります。

~3D Mark Time Spy~~3D Mark Time Spy~

Fire Strikeと同じように、Radeon RX 6600 はRadeon RX 5700を上回り、Radeon RX 5600 XTには10%以上のスコア差を付けています。GeForce RTX 3060には5%ほど差を付けられて逆転を許していますが、GeForce RTX 2060を10%近く上回っており、DirectX 12環境でも高いパフォーマンスを維持しています。

3D Mark 「Port Royal」

続いて、リアルタイムレイトレーシング性能を計測する3D Mark「Port Royal」にて、レイトレーシング性能を見ていきましょう。Port Royalでは、いくつかあるレイトレーシングアルゴリズムのうち、レイトレーシングリフレクションを使用したものとなります。
ベンチマークスコアであるGraphics Scoreと一緒にフレームレートも計測することが出来ます。テスト時の設定は標準設定であるWQHD解像度 、DLSS無効のままとして、RTコアの性能の比較として見ていきます。なお、Radeon RX 5000シリーズはレイトレーシングに対応していないため、グラフからは省いています。

~3D Mark Port Royal~~3D Mark Port Royal~

~3D Mark Port Royal fps~~3D Mark Port Royal fps~

3D Mark Port Royalによるレイトレーシング性能に関しては、GeForce RTX 3060が底力を発揮しました。GeForce RTX 30シリーズが第2世代のRTコアを搭載していることもあり、レイトレーシング性能においてはGeForce RTX 30シリーズが先行していると言えそうです。とは言え、第1世代RTコアを搭載しているGeForce RTX 2060には接近したパフォーマンスを示しており、今後のRadeonにおけるRTコアの進化を期待したいところです。

3D Mark 「DirectX Raytracing feature test」

3DMarkを用いたベンチマークの最後に、「DirectX Raytracing feature test」を見てみましょう。本テストはすべての画面をレイトレーシングでレンダリングすることで、より負荷の高いグラフィックスカードのレイトレーシング性能を計測できます。本記事では標準設定のSample count 数である12でテストを行いました。なお、Port Royal と同様にRadeon RX 5000シリーズはレイトレーシングに対応していないため、グラフからは省いています。

~3D Mark DirectX Raytracing feature test~~3D Mark DirectX Raytracing feature test~

画面内の影や反射のみレイトレーシング処理を行っている「Port Royal」よりも負荷が高いテストということで、よりGeForce RTX 30シリーズの強さが際立ちました。ドライバによる最適化の差という可能性もありますが、現時点においてはレイトレーシング性能ではGeForce RTX 30シリーズに軍配が上がると言えそうです。

FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク

続いて、FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマークです。テスト環境設定は高品質・フルスクリーンで、テスト解像度はフルHDとWQHDになります。なお過去のデータと比較のため、HDRおよびDLSSは無効としています。

~FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマークスコア~~FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマークスコア~

FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマークはNVIDIA GAMEWORKS対応のためGeForceシリーズに有利なベンチマークではありますが、Radeon RX 6600はフルHD解像度でもWQHD解像度でもGeForce RTX 2060に肉薄しています。Radeon RX 5700と比べると、WQHD解像度ではビデオメモリ容量や帯域の差が影響するのかRadeon RX 5700に一歩譲りますが、フルHD環境ではRadeon RX 5700を上回っています。Radeon RX 6600は、フルHD解像度で「快適」な指標(6000~8999)となるスコアを示しており、メインターゲットとなるフルHD解像度において快適なプレイができそうです。

ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク

最後に、ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマークです。テスト環境設定は最高品質・DirectX 11・フルスクリーンとなります。ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレについては、ベンチマークテストの詳細で平均fps(フレームレート)も確認できるので、合わせて掲示します。

~ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク スコア~~ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク スコア~

~ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク フレームレート~~ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク フレームレート~

Radeon RX 6600は、フルHD解像度で「非常に快適」な動作の指標となる15000以上のスコアで120fpsを上回るフレームレートを示し、WQHD解像度でも「とても快適」な動作の指標となる11000以上のスコアで80fpsを上回るフレームレートとなっています。フルHD解像度だけでなくWQHD解像度でも快適に遊べる性能を示しています。

フルHD解像度で十分な性能を示すRadeon RX 6600

Radeon RX 6600は、Radeon RX 5600 XTを10%以上上回り、フルHD解像度なら上位モデルであるRadeon RX 5700と互角以上の性能を示すなど、Radeonのミドルレンジモデルの性能を引き上げました。メインターゲットであるフルHD解像度での快適なゲーミングプレイには十分な性能を示しており、WQHD解像度でもゲーミングできそうな性能を示しています。
Radeon RX 6000シリーズのレイトレーシング性能についてはまだ進化の途上といった感じですが、第1世代RTコアのGeForce RTX 2060に近い性能は示しており、今後の進化に期待したいところです。
Radeon RX 6600がメインターゲットとするフルHD解像度は現在でもゲーミングプレイの主戦場であり、ライバルとも互角に戦える高い性能を持つRadeon RX 6600は、フルHD解像度での快適なゲーミングプレイを望むユーザーの期待に十分に応えてくれるグラフィックスカードと言えるでしょう。

CPU Core i9-10900K (3.7-5.3GHz/10コア・20スレッド/キャッシュ20MB/TDP125W)
マザーボード ASUS Prime Z490-A (Z490チップセット)
メインメモリ DDR4-3200 32GB (16GB x2)
ビデオ
カード
PowerColor製 Radeon RX 6600 XT (8GB GDDR6)
MSI製 Radeon RX 6600 (8GB GDDR6)
PowerColor製 Radeon RX 5700 (8GB GDDR6)
MSI製 Radeon RX 5600 XT (6GB GDDR6)
ZOTAC製 GeForce RTX 3060 (12GB GDDR6) ※OCモデル(ブースト:1807MHz)
ZOTAC製 GeForce RTX 2060 (6GB GDDR6)
ストレージ WDS250G2X0C (WD Black NVMe 250GB)
電源 Seasonic SSR-850PX (80PLUS Platinum、850W)
OS Windows 10 Home 64bit (バージョン:21H1)
ドライバ Radeon RX シリーズ: Radeon Software Adrenalin 21.10.2
GeForce RTX シリーズ: GeForce Game Ready Driver 496.13

検証に使用した構成

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ライタープロフィール 職人5号

Windows2000登場前からほぼ一貫してPC製造部門に従事。PC組立はもちろん、OSイメージの作成や製造時のトラブルシュートを行う。 その経験を生かしてOSの基本情報や資料室を担当する事が多い。

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