Autodesk Tinkercadには、コードブロック(Codeblocks)という機能があり、ブロックの変数値を変更することで、様々なデザインを簡単に作成することが可能です。ここでは、コードブロックのビジュアルプログラミングで3Dモデリングを行う方法について解説します。

クリエイター最終更新日: 20210722

Autodesk Tinkercad コードブロック(Codeblocks)の使い方

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Autodesk Tinkercadは、WEBブラウザ上でCADモデリングを行うことができる、無料のオンライン3Dモデリングアプリです。
Tinkercadには、コードブロック(Codeblocks)という機能があり、ブロックの変数値を変更することで、様々なデザインを簡単に作成することが可能です。
ここでは、コードブロックのビジュアルプログラミングで3Dモデリングを行う方法について解説します。
※Autodesk Tinkercad :https://www.tinkercad.com/

基本的なTinkercadの使用方法は、下記の記事を参考にしてください。
“Autodesk Tinkercadで3Dモデリング入門”:
https://www.pc-koubou.jp/magazine/44193

コードブロック(Codeblocks)のはじめ方

コードブロック(Codeblocks)の新規デザイン

Autodeskにログインし、ダッシュボード画面で「コードブロック」を選び、「新しいコードブロックを作成」を選択します。

以下のような画面が表示されるので、「新規デザイン」を選択します。

「Activities」や「Starter designs」では公式のチュートリアルを体験することが可能です。

画面説明

コードブロックの画面は、3Dデザインの画面と少し異なります。画面左側のメニューには「シェイプ」などの6つのメニューがあります。

「シェイプ」を選択すると、「ボックス」や「円柱」などのブロックが表示されます。

試しに、「ボックス」ブロックを中央のブロックエディターにドラッグ&ドロップします。

ブロックを削除する場合は、ブロックエディターにあるゴミ箱へドラッグ&ドロップしてください。

「実行」を押すと、作業平面上に立方体シェイプが表示されます。

「速度」で実行速度を調整し、「手順」はブロックが複数ある場合に1ブロック毎に実行して確認することができます。

また、作業平面の画面操作は、3Dデザインの際と同様に、「+−」で拡大・縮小し、「ビューキューブ」で表示アングルを変えることが可能です。

「エクスポート」や「共有」も使い方は同様で、データの書き出しや共有を行うことができます。

コードブロック(Codeblocks)の基本メニュー

シェイプ

コードブロック(Codeblocks)で利用する6つのメニューの内容を、簡単に説明していきます。「シェイプ」メニューを選択すると、「ボックス」や「円柱」などTinkercadDの基本的な形状のブロックがいくつか表示されます。

まず、「ボックス」ブロックを中央のブロックエディターにドラッグ&ドロップし「実行」をして、作業平面上に立方体シェイプが表示されることを確認してみましょう。
※以下、「ボックス」ブロック等のブロック表記を「ボックス」のように省略して記載します。

追加されたシェイプは必ず原点 (0, 0, 0) に作成されます。
ブロックの「>」を選択し、シェイプのサイズやエッジ、エッジセグメントの数値をフィールドに入力して指定することが可能です。
サイズ変更後に「実行」を行うと、変更後のサイズで立方体シェイプが表示されます。

修正

「修正」メニューでは、ブロックエディターに追加したシェイプの操作と新規オブジェクト作成に関する操作を行えるブロックを選ぶことが可能です。試しに立方体シェイプを右に「30」動かしてみましょう。
3軸は以下の図のように「X:横 Y:奥行き Z:高さ」となります。

「修正」メニューから「移動」を選択し、「ボックス」の下にアタッチします。Xのスロットに「30」と入力します。
※以下、「X:30」のように記載します。

「実行」をすると、立方体シェイプが作られ、右方向に「30」移動します。

さらに「移動」を下に繋げ、「X:-30」と入力し、「実行」します。すると、立方体シェイプが作成され、右に「30」移動した後に、左に「30」移動して原点に戻ります。

このようにブロックは上から順番に実行されていきます。

コントロール

「コントロール」メニューは、ブロックによる操作を繰り返すために使用されるループ機能です。

先ほどの「ボックス」の下に「繰り返し」をアタッチして、ブロック内に2つの「移動」を配置します。

繰り返しの回数を「5」と入力して、「実行」しましょう。立方体シェイプの右左移動が、5回繰り替えされます。

数学

「数字」メニューは、変数を作成し、基本的な数学関数を実行するためのブロックを選択することが可能です。

「移動」のX座標スロットに「Random between」をドラッグし、「0 and 30」にします。

もう1つの「移動」のX座標スロットにも「Random between」をドラッグし、こちらは「0 and -30」にして「実行」しましょう。

立方体シェイプが左右ランダムに移動を繰り返します。

データ

「データ」メニューは、初期の状態では、何も表示するものがありません。コードで作成されたデータ変数があると、表示されて利用可能になります。

試しに、「数学」メニューから「変数を作成」を選択し、「ボックス」の上にアタッチしてください。

すると、「データ」メニュー欄に、「変数を作成」にデフォルトで付けられている「item」という変数名のブロックが表示されます。

「item」を「移動」のY座標スロットにドラッグしてください。

「変数を作成」のスロットに「5」と入力して、ビューキューブをTOPにして「実行」します。立方体シェイプが、ジグザグにY方向へ移動します。

マークアップ

「マークアップ」メニューは、コードにコメントを追加したり、画面にメッセージを表示したりするためのブロックを選択できます。

「コメント//」は、プログラムのソースコード上で「実行させない部分」のことで、プログラムの内容にわかりやすくするために説明文を付けたり、メモ書きとして利用します。
2つの「移動」の上にアタッチし、下図のようにそれぞれに「右移動」「左移動」と入力します。これでどちらのブロックが左右どちらに動いているのかをわかりやすくします。
「実行」しても、「コメント//」で何かが変化することはありません。

「話す」は、画面上に入力テキストを表示します。デフォルトでは「メッセージ」と入力されていますが、テキストを入力することが可能です。先ほどの「コメント//」と入れ替えて「実行」します。

すると、それぞれの「話す」も繰り返し実行され、画面上で入力したテキストを確認することが可能です。

このように、Tinkercadのコードブロック(Codeblocks)機能は、6つのシンプルなメニューでありながら、多様なブロックの組み合わせで3Dモデリングを行うことができます。
ビジュアルプログラミングをこれからはじめる人にもおすすめです。

ライタープロフィール Taiki YUZAWA

情報科学芸術大学院大学(IAMAS) メディア表現研究科 修了。
東京藝術大学 立体工房講師 / IAMAS プロジェクト研究補助員 / 株式会社コウワ企画 取締役 / 名古屋学芸大学 非常勤講師 / 名古屋造形大学 非常勤講師
Web: https://taikiyuzawa.com/

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