Adobe Illustrator 2020(以下Illustrator)の「アクション」機能を活かして、ルーティン化した作業を自動化しましょう。アクション登録を活用することで、制作作業の効率化につながります。

クリエイター最終更新日: 20201230

Illustrator、アクションの活用で作業を効率化

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Adobe Illustrator 2020(以下Illustrator)の「アクション」機能を活かして、ルーティン化した作業を自動化し、制作を効率化しましょう。アクション登録を活用することで、制作作業の効率化につながります。

「アクション」パネルについて

Illustratorを起動して、メニューバーより、「ウィンドウ」→「アクション」を選択して、「アクション」パネルを開いた状態にします。初期設定では、すでに複数のアクションが登録済みです。

アクションパネルの下部にあるマークは、アクション登録時に操作します。

左から、
再生/記録を中止
記録開始
選択項目を実行
新規セットを作成
新規アクションを作成
選択項目を削除
です。

各マークは、操作状況によって表示状態が変化します。

「セット」は、ここでは「初期設定アクション」。セットの中に「アクション(例えば、不透明度60 etc.)」が登録されています。

「アクション」の登録方法

試しに「図形の線の色をなし」というアクションを登録します。Illustratorを起動すると、デフォルトのカラー設定は、「塗り」が白、「線」が1ptの黒になっています。アクション設定で、いつでも「線」を「なし」の状態にできるようにしましょう。

「アクション」パネルの「新規セットを作成」ボタンより、「新規セット(任意に命名。ここでは「action_01」)」を作成します。

続いて、同パネルの「新規アクションを作成」ボタンより、「新規アクション」を登録します。

「アクション」は、録音あるいは録画的な処理で登録されます。アクションパネルの「再生/記録を中止」マークを押して、記録を開始。登録したい操作(カラーパネルにて「線」のカラーを「なし」にする)を行い、記録を終えたら完了のはずです。線と塗りは「X」キーを押すと簡単に切り替わります。

実は、カラーパネル経由やツールパネル下部にある「線」で設定しても記録されませんので、注意してください。カラー設定は、プロパティか、スウォッチダイアログボックスで処理しないと記録できません。

そこで「プロパティ」パネルの「線」をクリック。

記録を終えると、ここまでの処理が登録されます。ショートカットは、登録名以外の箇所をダブルクリックするか、右上のオプションマークをクリックします。

表示されるメニューから「アクションオプション」を選ぶと、後からでも設定が可能です。

登録した「アクション」を実行する

記録した「アクション」が機能することを実際に確認します。黄色の塗りと赤い線の図形を用意しました。

このままアクションを実行すると、設定では「線」の色がなくなるはずが、「塗り」が「なし」になります。

これは、アクション記録時に「塗り」と「線」の切り換えまでは記録されないことで起きる現象です。今回のアクションを本来の意図通りに実行させたい場合、あらかじめ選択したオブジェクトに対して「塗り」でなく「線」を上に表示させた状態で実行しましょう。

これで正しい処理が行われます。

ショートカットキーを設定する場合の注意

登録したアクションにショートカットキーを設定する場合、Illustratorの既存設定を理解しておく必要があります。アクションをショートカットキー登録できるのは、「F2」〜「F15」と、「Shift」キーおよび「Control」キーの組み合わせになります。

下は、Illustrator上ですでに設定されているデフォルトのショートカットの一覧です。

もしアクションで同一のショートカットを設定すると後からの登録が優先されますが、できればかぶらない方がいいでしょう。

ボタンモードとバックアップ

アクションの実行で、毎回アクションパネルの「再生」ボタンを押すのが面倒なら、ボタンモードに変更する手があります。アクションパネル右上のオプションをクリックします。

コンテキストメニューが表示されるので、「ボタンモード」をクリック。

ボタンモードへと変わります。セット名は表示されず、各セットに入っていたアクション名が表示。これで各ボタンを押すだけで、アクションが実行されるようになりました。視覚で色分けしたり、可読性のいいネーミングにするなど、自分が使いやすいように工夫しましょう。

また、アクションは自動的にバックアップされません。Illustratorが落ちてしまった時などに備えて、バックアップをしておきましょう。アクションパネル右上のオプションメニューより、「アクションの保存」をクリックします。セットごとの保存が可能です。

任意のアクションが消えたら、右上のオプションメニューにある「アクションの読み込み」で元に戻しましょう。筆者はカテゴリー別に分類して、各セットを保存しています。

ライタープロフィール 海津ヨシノリ

グラフィックデザイナー、イラストレーター、大学非常勤講師(跡見学園女子大学、駿河台大学、二松學舍大学)。毎日blogにてソフトウェア手法に加え、日曜大工ネタや撮影などのTipsをアップロードする。2006年から毎月月例セミナーを開催中。

http://www.kaizu.com/

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