日本時間の2020年5月28日よりWindows 10の大型アップデート「May 2020 Update」の配信が始まりました。今回はMay 2020 Updateで追加や改良された主な機能についてご紹介いたします。

ITトレンド最終更新日: 20200605

Windows 10 May 2020 Update(20H1)の更新点

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日本時間の2020年5月28日よりWindows 10の大型アップデート「May 2020 Update」の配信が始まりました。今回はMay 2020 Updateで追加や改良された主な機能についてご紹介いたします。

【ご注意】
本記事は手動でのMay 2020 Updateの適用を推奨するものではありません。配信直後のWindows Updateを適用すると不具合が発生する恐れがありますので、更新前のバックアップや、あらかじめ不具合が発生しても問題ない端末で行う、また、共用パソコンで行う際には管理者へのご確認をお勧めします。

Windows 10はバージョン2004に

May 2020 Updateはテスト段階では20H1と呼ばれていたアップデートで、1年以上前からテストされて来ました。このアップデートでWindows 10のバージョンは2004となり、ビルドは19041に更新されます。
記事作成時の2020年6月4日現在は段階的な公開を行っており、準備の出来たデバイスから順次配信されていますので、すぐに自動更新がある訳ではありません。
今回はマイクロソフトのWindows 10ダウンロードページ(https://www.microsoft.com/ja-jp/software-download/windows10 )
より更新アシスタントをダウンロードし、手動でMay 2020 Updateを適用して確認を行いました。

Windows 10に追加された主な機能

カーソルの設定機能追加

マウスカーソルの設定メニューがまとまり、利便性が上がりました。従来ではコントロールパネルからアクセスしなければならなかったカーソルの移動速度変更が追加されています。更にテキストカーソルインジケーターが追加され、テキストカーソルを見失う事が無くなったと言えます。

Windows 10 May 2020 Update:カーソルの設定機能追加Windows 10 May 2020 Update:カーソルの設定機能追加

絵文字キーボードに新たな顔文字が追加

絵文字キーボード自体は以前からありましたが、今回は顔文字が幾つか追加されました。絵文字キーボードはWindowsキー+ピリオド(.)キーで呼び出す事が出来ます。

Windows 10 May 2020 Update:絵文字キーボードに新たな顔文字が追加Windows 10 May 2020 Update:絵文字キーボードに新たな顔文字が追加

Cortanaのアプリ化

音声アシスタントのCortanaがアプリ化しました。従来ではタスクバーと一体化していたため表示位置はタスクバーに依存していましたが、アプリ化した事で好きな位置に動かし、表示したままにする事が出来るようになりました。
またそれに合わせてチャットベースでの対話になるなど機能的な変更も加えられていますが、検証時点(6月4日)ではまだ英語のみの対応となっており利用出来ず、順次対応となるとの事です。

Windows 10 May 2020 Update:Cortanaのアプリ化Windows 10 May 2020 Update:Cortanaのアプリ化

Windows Searchの機能改善

Windowsキー+Sで呼び出せるWindows Searchも更新されました。以前はCortanaと一体化していましたが、Cortanaが独立した事でデザイン等が変更になりました。
また、PC内のファイルの検索速度を上げる為に生成されるインデックスですが、こちらの生成作業が特定条件下で停止したり、内部的な負荷を低減する事でユーザーの作業を妨げにくくなっているとの事です。

Windows 10 May 2020 Update:Windows Searchの機能改善Windows 10 May 2020 Update:Windows Searchの機能改善

拡大鏡に読み上げ機能追加

Windowsキー+プラスキーで呼び出せる拡大鏡にテキスト読み上げ機能が追加されました。拡大鏡を起動するとツールバーが出てくるのですが、こちらの左から2番目のアイコンをクリックし、読み上げて欲しいテキストをクリックするか、拡大鏡ツールが起動した状態でCtrl+Alt+左クリックで読み上げてもらうことが出来ます。

Windows 10 May 2020 Update:拡大鏡に読み上げ機能追加Windows 10 May 2020 Update:拡大鏡に読み上げ機能追加

仮想デスクトップに名前をつける

仮想デスクトップに名前をつけられるようになりました。Windowsキー+Tabキーで呼び出せる仮想デスクトップですが、こちらで名前部分をクリックする事で変更出来ます。例えば普段遣いとゲーム用、仕事用などで使い分ける際にも名前がついていれば一目で判別できるようになります。

Windows 10 May 2020 Update:仮想デスクトップに名前をつけるWindows 10 May 2020 Update:仮想デスクトップに名前をつける

クラウドからOSを再インストール可能に

PCを初期化する際にクラウドからダウンロードしてリセットできるようになりました。従来ではインストールメディアを事前に準備するか、ストレージ内にOSイメージが入る領域を用意する必要がありましたがその手間が不要になりました。
これによってディスクを用意したり、パソコンのストレージに余裕が無い場合でも初期化が可能になりました。画像ではWindows 10が立ち上がった状態からのリセット画面ですが、立ち上がらない場合でもクラウドからの再インストールは可能です。

Windows 10 May 2020 Update:クラウドからOSを再インストール可能にWindows 10 May 2020 Update:クラウドからOSを再インストール可能に

DirectX 12 Ultimate対応

DirectXはMicrosoftが主にゲーム向けに提供しているAPIですが、こちらも更新されました。DirectX 12 Ultimateではリアルタイムレイトレーシングのパフォーマンスが向上し、可変レートシェーディング、メッシュシェーダー、サンプラーフィードバックをサポートするようになりました。

Microsoft IMEの更新

Microsoft IMEは新たに設計され、カスタマイズが非常に容易になりました。Windowsの設定を開いて項目を辿っていく必要がなくなり、右クリックメニューからアクセスするとIME関連の全ての設定をまとめたメニューが開きます。またIMEツールバーの表示非表示を切り替える事が以前と比べると遥かに容易になりました。

Windows 10 May 2020 Update:Microsoft IMEの更新Windows 10 May 2020 Update:Microsoft IMEの更新

言語設定の改善

IMEの変更に合わせて言語設定メニューにも改善が加えられています。以前は設定内に分散していた個々の言語に関する設定が集約され、上部にアイコンで表示されるようになっています。

Windows 10 May 2020 Update:Microsoft IMEの更新Windows 10 May 2020 Update:Microsoft IMEの更新

タスクマネージャーでGPUの温度を確認できる

タスクマネージャーにも機能追加があり、GPUの温度がわかるようになりました。ただし現在は追加のGPUのみに提供される機能との事でCPU内蔵グラフィックスでは表示されません。

WSL2の正式リリース

こちらはMay 2020 Updateに直接同梱された機能ではありませんが、May 2020 Updateの配信と同時にWindows Subsystem for Linux 2の正式リリースも開始されました。従来のWSLと比較すると軽量、高速でLinuxに完全互換対応しています。

使い勝手を向上させる改良が随所に見られたMay 2020 Update

May 2020 Updateにて更新や追加された主な機能についてご紹介しました。今回のアップデートでは恩恵を受けるユーザーが多そうな機能追加・改良が随所に見られました。
これまで同様、大型アップデートを適用すると予期しない不具合が発生する可能性がありますので、いずれ自動更新で適用されることを見越した早めのデータバックアップ、使用中のアプリケーション・周辺機器の対応状況の確認などの対策をお勧めいたします。

CPU Core i9-10980XE (3.0-4.8GHz/18コア・36スレッド/キャッシュ24.75MB/TDP165W)
マザーボード ASUS PRIME X299-AII-SI (X299チップセット)
メインメモリ DDR4-2666 16GB (8GB x2)
ビデオカード Powercolor製 Radeon RX 5700 ITX 8GB GDDR6 (AXRX 5700 ITX 8GBD6-2DH)
ストレージ Intel SSD 660p 512GB (SSDPEKNW512G8XT)
電源 Seasonic SSR-1000PD (80PLUS PLATINUM、1000W)
OS Windows 10 Pro 64bit (バージョン:2004 ビルド:19041.264)

Windows 10 May 2020 Update(20H1)の検証に使用した構成

※当構成でWindows 10 May 2020 Update(20H1)の動作を保証するものではありません。また、当記事掲載以降、Windows 10 May 2020 Update(20H1)の適用タイミングによっては改良や機能の追加・削除など調整が行われる可能性がありますのであらかじめご了承ください。

ライタープロフィール 職人11号

ロボットアニメ大好きな店頭サポート出身のビジネス、Linux系担当ECスタッフ。空きスロットは意味なく埋めたいタイプ。お客様に寄り添ったパソコン作りをモットーに今日も頑張ります!

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