AMDのCPUやGPUは何がすごい?などAMDについての基礎知識や製品の特徴についてご紹介いたします。

技術解説資料最終更新日: 20200127

AMDの基礎知識や製品特徴について

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「AMDとはなにか」、既にご存知の方も居られるとおもいますが、改めて「AMDってなに?」、「AMDって何をしているの?」、「AMDのCPUやGPUは何がすごい?」など、AMDについての基礎知識や製品の特徴についてご紹介いたします。

AMDとは

AMDは、Advanced Micro Devices(アドバンスト・マイクロ・デバイセズ)という2019年で50周年を迎えた半導体製造会社です。パソコンの中で演算処理を行う「CPU」に加え、パソコンからディスプレイモニターに映像を映し出すためのグラフィックス処理を行う「GPU」の両方を開発しているメーカーとして、多くのユーザーから支持されています。

AMDの呼称については、日本AMD株式会社の登記社名が「日本 エイ・エム・ディ 株式会社」とされているため「エー・エム・ディ」となりますが、一部のユーザーからは「アムド」などと親しみを込めて呼ばれることもあります。

また、AMDの社名が記載されていてもグラフィックスカード「Radeon」は、ATI(エーティーアイ)と呼ばれることもありますが、これはAMDが買収したグラフィックスカードを製造していた会社の名前が「ATI technologies」だったことによるものです。

それではAMDの歴史を振り返りながら、その成り立ちと現在についてご紹介たします。

AMDの歴史

AMDは、1969年に創業し、多くの集積回路を開発する総合ICベンダーとして、わずか4年で株式上場を果たします。1973年には、インテルとセカンドソース契約を締結し、インテルが市場に供給している製品と同じものを製造していくなかで、独自設計の演算用周辺チップを開発するなど、数多くの製品を発売し、その高い技術力を世に広めていきました。

その後、インテルはセカンドソースを必要としなくなりましたが、AMDはいままでの経験を活かし、互換性のあるプロセッサーの開発を続け、1999年に独自のCPUバスとCPUソケットを採用したインテル互換ではない製品を誕生させます。

そのなかで64ビットに対応するAMD64アーキテクチャを開発し、64ビットOSに対応するコストパフォーマンスに優れたCPUを続々とリリースしました。

その後もAMD CPUは、それまで1コアが主流だったCPUのコアを2コアや4コア、6コアなどマルチコアCPUを展開することに加え、2006年に「Radeon」などのグラフィックスカードを開発するATI Technologiesを買収し、CPUの開発だけでなく、チップセットやグラフィックスといった分野もすべて自社開発ができるようになり、グラフィックスカードの開発でも高いパフォーマンスと発色の良さで人気を集めていきます。

そして両社の強みであったグラフィックスとCPUを統合させたAPU(Accelerated Processing Unit)を開発し、コンシューマーゲーム機などにも採用されるなど、最先端技術をどこよりも早く取り入れたプロセッサーを誕生させ、半導体業界で躍進していきます。

AMDの歴史から見る業績AMDの歴史から見る業績

2020年1月現在のAMDについて

AMDは2017年よりRyzenデスクトップ・プロセッサーをリリースし、コストパフォーマンスの高い製品としてコンシューマー向けCPUのシェアを急速に高めています。また、HEDT(High End Desktop)向けCPUであるRyzen Threadripperも市場に投入し、高い評価を得ています。

また、GPUではRadeon VIIやRadeon RX 5000シリーズのリリースを続け、クリエイティブな作業からハイクオリティなグラフィックス表現を必要とするゲームまで幅広く対応できるグラフィックスカードを市場に投入しています。

もちろんこれらを統合したRyzen GシリーズのCPUもリリースされており、高いCPUとグラフィックスのパフォーマンスを持ちつつも高い省電力性から人気の製品となっています。

確かな信頼性とコストパフォーマンスに優れた、AMD製品

AMDの歴史でも触れましたようにAMD製品は確かな信頼性と技術力によって優れたマルチコアプロセッサーの開発とともに、ATI Technologiesが開発を続けてきたグラフィックス技術を進化させたRadeonシリーズのグラフィックスカードの開発を続けています。

また、最先端のハードウェア開発を進めるなかで、ソフトウェアの互換性に対しても不具合の心配を解消するプログラムの最適化を図るため、ソフトウェア各社と鋭意協力関係を構築しています。

それによりコストパーマンスに優れたデスク、ホームワーク向けCPUのほか、高度な演算処理を必要とするゲームやクリエイティブな作業に最適なグラフィックスカードを生産し、多くのユーザーから支持を得ています。

それではそれらのAMDのCPUやGPUについて詳しくご紹介いたします。

マルチコアプロセッサーによりハイパフォーマンスを実現するAMD CPU

現在のAMDのCPUは、開発コードネーム「ZEN2」(ゼン2)と呼ばれる基本設計(アーキテクチャ)でCPUコアが製造されており、これらを使用したCPUが第3世代AMD Ryzen 3000シリーズ・プロセッサーとなります。

ZEN2アーキテクチャは競合製品とほぼ同等のシングルコア処理性能をもつうえ、マルチコアでの処理効率が競合製品に比べて高いため、価格帯に対し競合製品の1ランク以上の性能を持つことから、コストパフォーマンスが良く人気を高めています。

Ryzenはコアの数や動作クロックなどによってRyzen 3、Ryzen 5、Ryzen 7、Ryzen 9といった形で性能毎にシリーズ分けされています。また、24コア以上をもつハイエンドデスクトップ向けCPUとしてRyzen Threadripperも同じく第3世代となり、競合製品も引き離すほどの大きな性能向上を果たしました。

現在のAMD Ryzenプロセッサー 一覧現在のAMD Ryzenプロセッサー 一覧

加えて、Ryzenシリーズの他に省電力や、低価格帯向けのAthlonシリーズやAシリーズ・プロセッサーも発売しています。

パソコン工房NEXMAG AMD デスクトッププロセッサー スペック・性能・比較

Ryzen 3、5、7、9およびRyzen Threadripperはマルチコア性能の高さが特徴となるため、3D CG編集、動画編集やフルHD以上の高解像度ストリーミング配信など、マルチコアが生かせるソフトウェアや、複数のアプリケーションを並行して扱う負荷の高い環境で特に快適に動作させることが可能です。

また、AMD AthlonやAMD AシリーズおよびRyzen GのAMD CPUは書類作成やWebの閲覧、メール管理などオフィスワーク、ホームワークに最適で、強力な動画再生支援機能を持つなど、価格に対してグラフィックス性能が高く、ソフトウェアの快適な操作感につながることから、コストパフォーマンスに優れたCPUとなっています。

また、グラフィックスを内蔵するCPU(およびAPU)はPC以外にタブレット端末や家庭用据え置および携帯ゲーム機などにも採用されるほど、コストパフォーマンスだけでなく、ワットパフォーマンスにも優れた製品となっています。

パソコン工房NEXMAG AMD Ryzen™ プロセッサーとは

パソコン工房NEXMAG 第3世代 Ryzenプロセッサーとは

ゲームに最適化されたAMD GPU

AMDは「Radeon」シリーズのGPUを開発しています。呼称に関しては「ラデオン」と耳にする機会が多いと思われますが、「レイディオン」の他にも「ラディオン」とも呼ばれます。

元々、RadeonはATI Technologiesが開発したビデオチップであるRageシリーズの後継にあたる製品となり、優れたグラフィックスのパフォーマンス以外にも、色や画質の良さなども人気の一因となっています。

ほかにもAMD FireProやRadeon Instinctといったプロフェッショナル向けのグラフィックスカードもラインナップしており、ワークステーションやサーバーなどに搭載されています。

現在、AMDが開発するグラフィックスカードのなかでも、主力となっているのがRDNAアーキテクチャを採用するRadeon RX 5000シリーズです。

Radeon RX 5000シリーズの特徴は定格クロック、ブーストクロックの他にゲームクロックといったゲームをプレイする際のGPUブースト機能を備えているほか、Radeon Softwareによるフレームレート向上機能であるRadeon Boostや優れた画質のビジュアルでゲームを楽しむことができるゲームベンダー向け開発ツールの「FidelityFX」や、マウスやキーボード操作の入力遅延を抑え、eスポーツシーンで活躍する「Anti-Lag」機能なども備わっており、PCゲームを快適に遊ぶための機能を有しています。

また、対応モニターにより画面のちらつきやティアリング(画面上下のずれ)のない映像を映し出すRadeon FreeSyncにも対応しています。そのほかにも第2世代VEGAアーキテクチャを採用したハイエンド向けGPU、AMD Radeon VIIはゲーム以外にも優れた演算能力を利用したディープラーニングにも効果的です。

現在のAMD Radeon グラフィックス 一覧現在のAMD Radeon グラフィックス 一覧

パソコン工房NEXMAG AMD(ATI) デスクトップグラフィックス スペック・性能・比較

ライタープロフィール 職人7号

360度どこからみても凡人、職人番号ラッキー7!職人7号です。主に写真撮影、動画編集を担当。パソコン工房ECサイトのBTOPCや自作パーツ等ひろく手掛ける。店舗部門出身。

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