SQL Server 2008および2008 R2は、2019年7月9日にサポート終了してしまいます。SQL Server 2008をお使いの方へ最新のSQL Server 2017へアップグレードする方法をご紹介します。

チャレンジ&ナレッジ最終更新日: 20190531

SQL Server 2008 サポート終了!アップグレード方法

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Microsoft SQL Server 2008および2008 R2は、2019年7月9日に延長サポートが終了するため、延長サポート終了前にアップグレード等の対策が必要です。今回は、SQL Server 2008 R2 SP3 ExpressEditionからSQL Server 2017 Express Editionへのアップグレード手順を例に、SQL Server 2008のアップグレード方法をご紹介します。

SQL Serverのサポートが終了したらどうなる?

延長サポートが終了すると、それ以降はセキュリティ更新プログラムの提供を受けることができなくなります。

セキュリティ更新プログラムを含むすべてのサポートが受けられないと、新たなセキュリティ上の脆弱性が発見された場合にも対策を取ることが難しくなり、ビジネスや作業に大きな影響をもたらす可能性があります。

例えばインターネット等の外部ネットワーク経由でのアクセスが可能な場合はもちろん、外部からのアクセスができないサーバーの場合も、内部の接続可能な機器に対してメール等でプログラム実行ファイル等を送信され、ファイルを開いてしまうことで脆弱性を利用されてデータを持ち出される、ということが想定されます。
このような場合に、脆弱性に対応したプログラムの更新ができないことは大きなリスクとなります。

また、サポート終了後は電話やメールでの情報提供も終了するため、問題が発生した時の対応も困難になります。

SQL Serverのバージョンを確認する

SQL Serverのバージョンは、SQL Server Management Studioで該当のサーバーへ接続することで、確認することができます。

SQL Server Management Studio を開き、左ペインのオブジェクトエクスプローラー上部にインスタンス名と伴に表示されます。

プロダクトバージョンだけでなく、製品名やエディションなどの詳細まで確認したい場合は、2通りの方法で確認できます。

まず、「SELECT @@VERSION」のSQLコマンドを実行すると、SQL Serverの製品名、プロダクトバージョン、導入日時、エディション、OSのバージョン・エディションの情報を取得することができます。

もう1つは、SQLエラーログで確認する方法です。

SQLエラーログには、各ファイルの先頭にSQLコマンドで取得した情報を同様のものが記載されています。

SQL Server 2017へアップグレードする

今回は、オンプレミス(手元の機器上)でのアップグレード手順をご紹介したいと思います。

アップグレードを行う前の確認

アップグレードする場合、SQL Server 2008 SP4、SQL Server 2008 R2 SP3であることが条件となります。また、Windows7や32bit版OSへのインストールはできないので、注意してください。

今回アップグレードを行うのはSQL Server 2008 R2 SP3 ExpressEditionで、これをSQL Server 2017 Express Editionへアップグレードします。

今回はテストデータを入力したデータベース [test] を例に進めていきます。
※各項目をご使用環境に置換えて進めてください。

テストの為、ダミーデータを入力してあります。

SQL Server 2017のセットアップ

では、セットアップを進めていきましょう。

パッケージ版の場合、インストールメディアを挿入し、セットアップを開始します。

ダウンロード版の場合は、Microsoftのホームページからインストーラーをダウンロードして、実行してください。

インストーラーを起動し、「カスタム」を選択します。

SQL Serverのインストールファイルをダウンロードする場所を選択します。

場所を選択したら 「インストール」[インストール]を押して進みます。

インストールファイルがダウンロード完了するまで待ちましょう。

インターネット環境によっては、少し時間がかかる場合があります。

ダウンロードが完了すると、SQLインストールセンターが表示されます。

今回は、SQL Server2008R2からSQL Server 2017へアップグレードしますので、「以前のバージョンのSQL Serverからアップグレード」 を選択します。>

SQL Server Management Toolsを使用されている場合、最新版もこちらの画面からダウンロードページへ移動できますので、SQL Serverのアップグレードが完了後に、最新版をインストールしましょう。

「ライセンス条項に同意します」にチェックを入れ、「次へ」をクリックします。

グローバル ルールのチェックが始まります。

少し時間がかかりますので、チェックが完了するまで待ちます。

※ここで警告が出た場合、項目を確認して対処してください。(例:Windows Updateで再起動が必要な場合は警告が出ます。)

「Microsoft Update を使用して更新プログラムを確認する」にチェックを入れ、「次へ」を押します。

少し時間がかかる場合がありますが、次の画面に進むまで待ちます。

今回は、1つのSQL Serverをアップグレードするので、「アップグレードするインスタンス」には1つしか表示されていませんが、複数のSQL Serverが動作している場合は、アップグレードするSQL Serverを選択し、「次へ」をクリックします。

Reporting Servicesがインストールされている場合、アンインストールされる画面が表示されます。
その場合は、レポートをバックアップし、新しいReporting Servicesにインポートしてください。
準備が整ったら、「Reporting Servicesをアンインストールします。」にチェックを入れ、「次へ」をクリックします。

アップグレードでは機能の変更はできませんので、「次へ」をクリックします。

こちらのPCでは、自動的に次の画面へ進みました。

特に問題がなければ「次へ」をクリックします。

使用環境に適した項目を選択してください。

今回は、フルテキスト機能も追加・変更されているので、「再構築」したいと思います。
「再構築」にチェックを入れ、「次へ」をクリックします。

機能ルールのチェックで問題がなければ、そのまま次の項目へ進みます。

問題が発見された場合は、各項目を確認して対処してください。

機能ルールで問題がなかった場合、アップグレードが進行します。

完了するまで待ってください。

アップグレード完了画面が出たら、失敗した項目がないか確認しましょう。
今回は、失敗なく無事アップグレードが完了しました。
アップグレードが完了したら、大切なデータの確認もしましょう。

SQL Server Management Toolsも最新版に変更しています。

テストデータが確認できました。

SQL Server 2017のバージョン情報を確認

では、アップグレードしたSQL Server 2017のバージョン情報を確認してみましょう。

バージョン情報もSQL Server 2017になっていますね。

最新の SQL Server 2017 にアップグレードしておけば、メインストリームサポートは2022年10月、延長サポートは2027年10月まで受けることができます。

SQL Server 2008のサポート終了まであとわずかです。

アップグレード計画がまだの方は、早急に検討・実践し、安心&快適な環境を整えてくださいね。

ライタープロフィール パソコン工房NEXMAG
[ネクスマグ] 編集部

パソコンでできるこんなことやあんなこと、便利な使い方など、様々なパソコン活用方法が「わかる!」「みつかる!」記事を書いています。

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