安全で快適なPC操作に不可欠なWindows Update。最新OSのWindows 10での、覚えておくべきWindows Updateの基礎知識や注意点を紹介します。

「安全で快適なPC操作に不可欠なWindows Update、その基礎知識と重要ポイントを解説」イメージ画像
「安全で快適なPC操作に不可欠なWindows Update、その基礎知識と重要ポイントを解説」イメージ画像
チャレンジ&ナレッジ最終更新日: 20180205

Windows Updateの基礎知識(Windows 10)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

複雑なソフトウェアにはバグがつきものでWindowsも例外ではありません。そのため、Windowsでは「Windows Update」という仕組みが用意されています。コンピュータの状態を診断してWindowsを自動的に更新し、システムを最新の状態に保つためのオンラインサポート機能です。Windows Updateは、セキュリティ強化のためには欠かせません。ここでは、最新OSのWindows 10での、覚えておくべきWindows Updateの基礎知識や注意点を紹介していきます。

Windows 10ではWindows Updateを無効にできない

Windows Updateは、インターネット経由でマイクロソフトのサーバーを定期的にチェックし、更新が必要なら自動的にOSをアップデートします。Windows Updateには、Windowsの更新情報のほか、Office製品などマイクロソフトのアプリケーションやデバイスドライバーの更新も含まれています。最近では、一部のサードパーティ製ソフトウェアも含まれるようになりました。

更新情報の問い合わせ/ダウンロードの概念図使用しているコンピュータの状態を診断してWindowsを自動的に更新

Windows 8.1以前は、Windows Updateを有効にするか無効にするかはユーザー自身で設定することができました。これは、自動的に更新されてしまうことを嫌う人がいたからです。しかし、Windows 10では、無条件にWindows Updateが自動的に有効になり、GUI操作で無効にすることはできません。

Windows7のWindows Update有効/無効設定画面Windows 7ではWindows Updateの有効/無効はユーザー自身で設定できる

Windows Updateを手動で実行する

Windows 10では、Windows Updateは自動的に有効になるため、更新の有無を自分でチェックする必要はありません。しかし、自動更新を待たずにWindows Updateをすぐに実行したい場合もあるでしょう。例えば、仕事に空き時間ができたので、今のうちに必要な更新をしてしまいたいようなケースです。Windows 10でWindows Updateを強制的に実行する方法は次の通りです。

①[スタート]メニューで[設定]を選択
②[更新とセキュリティ]を選択
③[更新プログラムのチェック]をクリック

[更新プログラムのチェック]ボタンは、必要に応じて更新プログラムのダウンロードや、更新プログラムのインストールのためのボタンに変化するので、実行したいボタンを押してください。

様々な[更新プログラムのチェック]ボタン[更新プログラムのチェック]は必要に応じたボタンに変化する

また、次の設定で「Microsoft Office」など、OSであるWindows以外の更新を構成できます。

①[スタート]メニューで[設定]を選択
②[更新とセキュリティ]を選択
③[詳細オプション]を選択
④[Windowsの更新時に他のMicrosoft製品の更新プログラムも入手します]をオン

更新プログラムの設定>詳細オプション画面更新対象をWindows以外のマイクロソフト製品に広げることが可能

Windows Updateが実行されない時間を自分で指定する

Windows Updateによる更新は自動的に行われ、必要に応じてPCの再起動が実行されます。この再起動は、ユーザーの操作中には行われないようになっているのですが、実際には「ちょっと目を離したら勝手に再起動した」「再起動するかどうかを尋ねてきたので、[再起動しない]を選んだつもりが間違ってしまい、うっかり再起動してしまった」というトラブルが頻発しています。

そこで、Windows 10では便利な機能が追加されました。「アクティブ時間」という機能で、指定した時間帯は再起動が実行されません。アクティブ時間は次の手順で設定します。

①[スタート]メニューで[設定]を選択
②[更新とセキュリティ]を選択
③[アクティブ時間を変更します]を選択
④開始時刻と終了時刻を指定して[保存]を選択

アクティブ時間の変更画面「アクティブ時間」は便利な機能

アクティブ時間(自動再起動しない時間)は1日最大18時間に限られてしまいますが、1日18時間超も連続してPCを使うことはめったにないでしょうし、健康上もお勧めできません。

再起動時刻を明示的に指定できる

すでに更新がダウンロードされている場合、[再起動のオプション]で再起動時刻を明示的に指定できます。手順は次の通りですが、指定した時刻に正確に再起動するわけではなく、ある程度の幅があるので注意してください。

①[スタート]メニューで[設定]を選択
②[更新とセキュリティ]を選択
③[再起動のオプション]を選択
④[時刻をスケジュール]を[オン]にして、時刻と日付を指定(1週間以内)
⑤再起動前にメッセージを表示したい場合は[追加の通知を表示]を選択

更新プログラムインストール時の再起動時刻指定画面更新プログラムがある場合にのみ、再起動する時刻は指定可能

[詳細オプション]では、Windows以外の更新情報を入手するかどうかを指定できるほか、Windows Updateの延期もできます。こちらは、更新プログラムがダウンロードされていない場合でも設定可能です。

Windows Update延期設定画面Windows Updateを延期する設定も可能

ここで[半期チャネル(ターゲット指定)]を選択した場合は、常に最新の状態に更新します。一方、[半期チャネル]は、最新ではなく4カ月前の状態に留める設定で、主に企業ユーザーを想定しています。「半期」は、英語の「semi-annual」の訳です。Windows 10は、毎年3月頃と9月頃の年2回の大規模な更新を予定しているため「半期」と呼ぶようです。

Windows Updateによる機能更新プログラムは、最大365日までインストールを延期できます。新機能による互換性問題がある場合でも、1年以内には解決するという想定でしょう。

一方、品質更新プログラムは30日までしか延期できません。品質更新プログラムにはセキュリティ修正が含まれているため、緊急性が高いからです。

[更新の一時停止]は、すべての更新を35日間停止します。例えば、「今月締め切りの仕事が終わるまでは、今の状態のまま使いたい」という目的で使用などが考えられます。永久に更新を止めることはできません。

トラブルが発生した場合は「復元ポイント」を利用する

便利なWindows Updateですが、過去にさまざまなトラブルがあったことは事実ですし、現在でもまれにトラブルが発生します。Windows Updateで自動更新した場合のトラブルは、次のものがあります。

・特定の機能が動作しなくなる
・特定の機能の動作が変化する
・他のアプリケーションとの互換性を損なう
・Windowsが起動しなくなる

問題が起こった場合、たいていは更新プログラムをアンインストールすることで解決します。アンインストールの方法はいくつかありますが、最も簡単な方法は「復元ポイント」を使うことです。

Windowsはアプリケーションのインストール前に「復元ポイント」を作成します。問題があった場合は、次の手順で直前の「復元ポイント」に戻すことで、更新前の状態に復元できます。

①Windowsメニューから[Windowsシステムツール]を選択
②[コントロール パネル]を起動
③[システムとセキュリティ]から[システム]を選択
④[システムの保護]を選択
⑤[システムの復元]を選択
⑥ウィザードの開始画面で[次へ]をクリック
⑦最新の復元ポイントを選択して[次へ]をクリック
⑧[完了]をクリック
⑨警告に対して[はい]をクリック

復元ポイント設定手順の各画面「復元ポイント」を利用して更新前の状態に戻す

まれにアンインストールができない更新があります。この場合は、マイクロソフトが提供するサポートサイト(https://support.microsoft.com/ja-jp)などを参照して解決策を調べてください。

最も深刻なのは、Windowsが起動しなくなった場合です。起動しないのですから、アンインストールもできません。この場合は、PCの電源を入れた直後にF8キーを連打してみてください。起動メニューが表示されるはずです。

そこで[前回正常時の構成]を選択すると復旧する場合があります。ただし、確実に復元できる保証はありませんし、正常起動後に設定したすべての設定が失われる可能性があります(ファイルが消えることはありません)。

セキュリティの不安が高まる今日、Windows Updateの強制は必然

以前のWindowsでは自動更新によるトラブルを回避するため、自動更新をしない人もいました。確かにWindows Updateによるトラブルは回避できますが、次のように大きなリスクがあります。

・最新の機能が使えない
・不具合が修復されない
・セキュリティ修正が行われない

セキュリティ修正が行われないことで、自分が被害を受ける可能性だけではなく、他人を攻撃するための「踏み台」に使われる可能性があります。被害者になるのも嫌ですが、加害者になるのも後味の悪いものです

また、明らかに不適切な設定のPCが「踏み台」になった場合は、「踏み台」による攻撃をされた被害者から管理者責任を問われる可能性も指摘されています。あくまでも「責任を問われる可能性」ということですが、不適切な設定は避けたいものです。

不適切な設定のPCが攻撃者の踏み台にされる説明の図不適切な設定のPCが「踏み台」になる可能性も

Windows 10でWindows Updateが強制されるようになったことに不満を覚える人もいるかもしれません。しかし、セキュリティの事故が多発する近年、多くのリスクを考えると、これは当然の仕様変更なのです。

ライタープロフィール パソコン工房NEXMAG[ネクスマグ]編集部

パソコンでできるこんなことやあんなこと、便利な使い方など、様々なパソコン活用方法が「わかる!」「みつかる!」記事を書いています。

記事を
シェア