GeForce GTX TITAN Xのベンチマークテスト、徹底調査しました!

GeForce GTX TITAN Xのベンチマークテスト、徹底調査しました!

2015-4-3

初めまして、職人5号です。今回はGeForce GTX TITAN X に触れる機会を得ましたので、ベンチマークテストを行ってみました。

先日NVIDIAよりリリースされた最新のグラフィックカード「GeForce GTX TITAN X」はGeForce GTX 900シリーズと同じMaxwellコア採用の最上位モデルとして発表されました。「GAMING BEAST」の名前を冠して発表されたこのビデオカードは、野獣の名にふさわしい実力を備えているのか。その実力のほどを確認してみましょう。

GeForce GTX TITAN X のスペック

GeForce GTX TITAN X は 「今のGPUでは、今後ゲームが要求する性能に追いつかない」というゲーム開発者の声を元に開発され、最高画質の4K設定でゲームを楽しむためのGPUとして、GeForce GTX 980を超えるウルトラハイエンドモデルとなります。
また、外観的には、従来同様のベイパーチャンバー + シロッコファン方式の冷却装置を採用していますが、ヒートシンクカバーの色味が黒に変更されたため、精悍さが増した印象を受けます。
画像その1 / GeForce GTX TITAN X
それでは、GeForce GTX TITAN X のスペックを確認しましょう。

GPU GeForce GTX TITAN X GeForce GTX 980 Radeon R9 290X GeForce GTX TITAN Black GeForce GTX TITAN
コードネーム GM200 GM204 Hawaii XT GK110 GK110
(Maxwell) (Maxwell) (Hawaii) (Kepler) (Kepler)
製造プロセス 28nm
DirectX世代 12 11.2
ストリーミング
プロセッサ数
3072基 2048基 2816基 2880基 2688基
コアクロック 1000MHz 1126MHz 未公開 889MHz 837MHz
ブーストクロック 1075MHz 1216MHz 1000MHz 980MHz 876MHz
メモリ転送レート 7Gbps 7Gbps 5Gbps 7Gbps 6Gbps
メモリタイプ GDDR5
メモリバス幅 384bit 256bit 512bit 384bit 384bit
メモリ搭載量 12GB 4GB 4GB 6GB 6GB
TDP 250W 165W 290W 250W 250W
補助電源 8ピン+6ピン 6ピン x2 8ピン+6ピン 8ピン+6ピン 8ピン+6ピン
最低要求電力 600W 500W 700W 600W 600W

GeForce GTX 980と比べ、ストリーミングプロセッサ(CUDAコア)など演算ユニットやメモリ帯域は1.5倍に、メモリ容量は3倍に強化されています。それでいながら、TDPは前世代のGeForce GTX TITAN や TITAN Black と同じ250Wで収められており、ワットパフォーマンスに優れたMaxwellコアの性格を受け継いでいる事が伺われます。

ベンチマークテストでの比較

比較対象としてGeForce GTX 980・970、および Radeon R9 290X と比較して行きます。
また、SLI 構成の GeForce GTX TITAN X でも測定しています。

① 3D Mark 「Fire Strike」テスト Graphics score

画像その2 / GeForce GTX TITAN X
Fire Strike ・Fire Strike Extreme とも GeForce GTX 980 から30%近くスコアが向上しています。
また、SLI構成では、単体構成から共に85%以上の性能向上となっています。


② ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア ベンチマーク キャラクター編

画像その3 / GeForce GTX TITAN X
標準品質・1280x720の設定では、負荷が軽すぎるためか、GeForce GTX 970 を除き あまり差の無い結果となっています。
対して最高品質・1920x1080の設定では、3D Mark Fire Strike と同様の傾向を示しています。GeForce GTX 980からは20%程度のスコア向上となっており、3D Mark Fire Strike 程のスコア向上とはなりませんでした。 またSLI化による向上率もおよそ17%と、3D Mark Fire Strike 程にはSLI化が寄与していない事が見受けられます。

低負荷状態では、流石にウルトラハイエンドモデルとしての恩恵はあまり受けられませんが、負荷が上がるに連れウルトラハイエンドモデルとしての恩恵度合いは増していく事が見て取れます。

4K解像度での比較

続いて、シングル構成のGeForce GTX TITAN X と GTX 980 および Radeon R9 290Xにて4Kサイズでのベンチマークを比較してみます。
加えてGeForce GTX TITAN X と GTX 980 では SLI構成でも計測しました。

① 3D Mark 「Fire Strike Ultra」テスト Graphics score

画像その4 / GeForce GTX TITAN X
Fire Strike ・Fire Strike Extreme と同様の傾向を示しており、 GeForce GTX 980 からは30%以上のスコア向上が見られます。同様に、SLI構成同士の比較でも、GeForce GTX TITAN -SLI-は GeForce GTX 980 -SLI-からは30%以上向上しています。 また、SLI構成とシングル構成を比較した場合は、GeForce GTX TITAN X・GTX 980 共にシングル構成から90%以上のスコア向上となっています。


② ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア ベンチマーク キャラクター編

画像その5 / GeForce GTX TITAN X
Radeon R9 290XやGeForce GTX 980 が5000台に留まる中、GeForce GTX TITAN X は「非常に快適」の目安とされる7000以上に到達しており、「最高画質の4K設定でゲームを楽しむためのGPU」としての片鱗をうかがわせています。
GeForce GTX 980 からは 40% 以上のスコア向上を示しており、負荷が増すごとにGeForce GTX TITAN Xの底力が表われてきます。

画像その6 / GeForce GTX TITAN X

ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア ベンチマーク では平均フレームレートも測定できるので、4Kサイズでの平均フレームレートを見てみると、GeForce GTX TITAN X はシングル構成でも平均60フレームを上回っており、4Kサイズでのゲームプレイにも耐えうる性能を示しています。

スペック通りの消費電力

最後にGeForce GTX TITAN Xの消費電力を見てみます。 今回は3D Mark「Fire Strike」実行時のシステム全体の消費電力の最大値を記録しています。

画像その7 / GeForce GTX TITAN X
さすがにTDP250Wクラスのビデオカードだけに、システム全体の消費電力は300Wを優に超えており、 SLI構成に至っては600Wに迫る消費電力となっています。
いかに低消費電力が売りのMaxwellコアとは言え、相応の電源が必要となります。 GeForce GTX TITAN X と GeForce GTX 980 で比べてみると、ビデオカードのTDP値の差が全体の消費電力差となっており、GeForce GTX TITAN X と GeForce GTX TITAN X -SLI- と比べてみても、ほぼビデオカード1本分の差となっています。

史上最強のシングルGPUビデオカード

GeForce GTX 980 から頭一つ抜き出た性能、とくに4Kサイズのベンチマークテストですら快適に動作してしまう実力は、現在入手しうる最高のゲーミングビデオカードであると言えます。ヒートシンク部の黒く引き締まった外観も合わさり、まさに「野獣」の名にふさわしい猛々しさを誇っていました。

およそ15万円という価格であるため万人にお奨め出来るようなビデオカードではありませんが、とにかく最速のビデオカードが欲しい、最高画質の4K画像でゲームを堪能したい、など GeForce GTX TITAN X の性能に価値を見出せ、かつコストを度外視できるならば、最高の選択肢となるでしょう。



テスト構成

CPU Core i7-4790K (4.0-4.4GHz/4コア・8スレッド/キャッシュ8MB/TDP88W)
マザーボード ASUS Z97-A (Z97チップセット / BIOS : 1204)
メインメモリ DDR3-1600 16GB (8GB x2)
ビデオカード GeForce GTX TITAN X リファレンスカード(ビデオメモリ 12GB)
GeForce GTX 980 リファレンスカード(ビデオメモリ 4GB)
GeForce GTX 970 リファレンスカード(ビデオメモリ 4GB)
Radeon R9 290X リファレンスカード(ビデオメモリ 4GB)
ストレージ Toshiba THNSNJ128GCSU (128GB SATA3)
電源 Seasonic SS-1000XP(80PLUS Platinum、1000W)
OS Windows 8.1 Update 64bit
ビデオドライバ GeForce Game Ready Driver Ver:347.88
AMD Catalyst 14.12 (Omega)


執筆:パソコン工房 職人5号


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