GeForce GTX 1080 Ti をいろいろ試してみた

LEVEL∞用のテストモデル　LEVEL ∞Rクラス LEVEL-R027-i7K-XN(仮)を用いてベンチマーク比較を行いました。比較対象として直接の置き換えモデルであるGeForce GTX 980 Ti、および下位モデルのGeForce GTX 1080やGeForce GTX 1070 と比較して行きます。 テスト環境はハイエンド向けのビデオカードであるため、テスト解像度はフルHD(1920ｘ1080)オーバーである3D Mark Fire Strikeの標準設定である Extreme のWQHD(2560ｘ1440) と Ultraの4K(3840ｘ2160)の2つの解像度にて行いました。

※測定環境、測定条件は記事の最後に記述していますのでご参照ください

① 3D Mark 「Fire Strike」テスト　Graphics Score

GeForce GTX 1080 Ti の圧倒的なパワーが確認できました。前モデルであるGeForce GTX 980 Ti比でおよそ1.7倍、GeForce GTX 1080比で30％強のスコア向上となっています。しかも、WQHDよりも4Kの方がその差が広がっている事から、GeForce GTX 1080 Tiの底力がうかがわれます。

② ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド ベンチマーク キャラクター編

全体的に 3D Mark「Fire Strike」と同じ傾向となっています。グラフには表示していませんが、ベンチマークテストのレポートを確認すると、4K解像度でも平均70fpsを上回っていました。4K・60Hzのモニタでも持て余すような、まさに別格のパフォーマンスを示してくれました。

省電力性に優れたPascalコアを採用しながら、TDPは前世代のGeForce GTX 980 Tiと同じなGeForce GTX 1080 Tiは実際どの程度の電力喰いなのか。今回は上記ベンチマークテストの4K解像度における実行時のシステム全体の消費電力の最大値を記録しています。

高負荷状態では GeForce GTX 980 Ti に近い消費電力となっており、TDP値通りの結果となりました。とは言え、同じ電力消費で1.7倍もの性能を実現しているとも言えるわけで、Pascalコアのワットパフォーマンスの高さが示されているとも言えるでしょう。

続いて、アイドル時のシステム消費電力を比較してみます。

アイドル時では 下位モデルであるGeForce GTX 1080・1070 と同じ消費電力に留まっており、Pascalコアの省電力性が素直に表れていると言えるのではないでしょうか。

次にPascalコアの特徴であるワットパフォーマンスを確認してみましょう。ベンチマークテストのスコアを消費電力で割り、1W当たりのスコアを算出してみます。

ワットパフォ－マンスに優れたPascalコアでも最高の数値となっており、前世代のGeForce GTX 980 Ti 比ではおよそ1.8倍も向上しています。Pascalコアのワットパフォーマンスの高さがそのまま表れていると言えそうです。

圧倒的なパフォーマンスのGeForce GTX 1080 TiをHB SLIにしたらどうなるのか、興味本位で試してみました。

① 3D Mark 「Fire Strike」テスト

② ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド ベンチマーク キャラクター編

3D MarkにせよFF14にせよ、順当に性能が伸びている事が確認できます。GeForce GTX 1080 Ti -HB SLI-の4K時の性能はGeForce GTX 1060 6GのフルHD時の性能とほぼ同じとなっており、GeForce GTX 1060 6GでのフルHDの快適性がGeForce GTX 1080 Ti -HB SLI-では4Kで実現できてしまうという事で、4Kオーバーの解像度で60fps以上の快適さでゲームをプレイする事も可能になったと言えそうです。

折角なので、Ryzen 7環境での性能も確認してみました。比較対象はCore i7-7700Kと同価格帯のRyzen 7 1700 となります。もちろん、HB SLI 環境でも動作させています。

単体でもHB SLI環境でも、Core i7-7700K比で97％前後のスコアとなっており、AMDだからと言って大きく引けを取る事はありませんでした。今後ドライバなどがRyzenシリーズに最適化されれば、今回とは違った結果が見られるかもしれません。また、マルチスレッド性能が有効に機能する Direct X12環境では、Ryzenシリーズの方が優位になる、という事は十分にあり得るのではないでしょうか。ともあれ Ryzenシリーズのポテンシャルの高さが確認できました。

Pascalコアの最上位モデルとして登場したGeForce GTX 1080 Tiは、その立ち位置に相応しい性能を如何なく発揮してくれました。4Kオーバーの解像度で60fps以上の快適さでゲームを楽しみたいといったエンスージアストには最適なグラフィックスと言えそうです。

執筆：パソコン工房　職人5号