Intel Core X編。 パソコン技術資料室では 第7世代 Intel® Core™X プロセッサー・ファミリーを詳しく解説いたします。

技術解説資料最終更新日: 20170530

インテル® Core™ X シリーズ・プロセッサー・ファミリー (Skylake-X、Kaby Lake-X) とは

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Intel Core X編。 パソコン技術資料室では 第7世代 Intel® Core™X プロセッサー・ファミリーを詳しく解説いたします。

Intel® Core™ X シリーズプロセッサ(Skylake-X、Kaby Lake-X)とは

2017年5月30日にインテル Core X(コアエックス)シリーズプロセッサが発表され、これはHEDT(High-End Desk Top:ハイエンドデスクトップ)向けCPUとなります。従来のHEDT向けCPUシリーズ全てがリブランドされ、Core Xシリーズというシリーズ名となりました。

Core Xシリーズプロセッサは、開発コードネーム「Skylake-X」、「Kaby Lake-X」で知られ、新たなチップセットを含めたプラットフォーム全体は「Basin Falls」と呼ばれています。Core Xシリーズでは、従来通りCore i7に加え今回よりCore i9、Core i5シリーズがラインナップに追加されました。また、チップセットが「X299」へと変更され、ソケットも「LGA2066」が採用されました。

※Kaby Lake-X(ケイビーレイクエックス)、Skylake-X(スカイレイクエックス)、Basin Falls(ベイジンフォールズ)はいずれもインテルの開発コードネームです。
※以前の製品の開発コードネームは「Broadwell-E(ブロードウェルイー)」「Haswell-E(ハズウェルイー)」と呼ばれていました。

Intel® Core™ X シリーズプロセッサの主な特徴

CPU

■アーキテクチャが「Skylake」「Kaby Lake」アーキテクチャとなり、「Haswell」「Broadwell」アーキテクチャに比べ、コアあたりの性能が最大14%、マルチコア性能が15%向上しました。
■Core Xシリーズでは、Core i7に加え、Core i9シリーズおよび、Core i5シリーズが追加されました。
■Core Xシリーズのうち、「Skylake-X」は、6コア、8コア、10コアに加え、今回よりさらに追加で12コア、14コア、16コア、18コアのCPUがラインナップされています。
■Core Xシリーズのうち、「Kaby Lake-X」は4コアのCPUがラインナップされています。
■「Kaby Lake-X」、「Skylake-X」はともに「14nmプロセス」で製造されています。
■「Turbo Boost Maxテクノロジー3.0」に対応し、通常のTurbo Boostの上限を超えて自動的にクロックが向上します。従来は1コアまでの対応でしたが、今回より2コアまでの対応になりました。
■メモリコントローラーも改良され、DDR4-2133/DDR4-2400/DDR4-2666メモリに対応(※)しました。※実際の搭載可能なメモリはマザーボードメーカーの仕様によります。
■キャッシュのバランス調整が行われ、コアあたりのL3キャッシュを45%減少させる代わりにL2キャッシュを400%増加させました。キャッシュのヒット率が向上し、パフォーマンスが向上しました。

ブランド 新Core Xシリーズ / X299 Core Xシリーズ / X99
開発コードネーム / リリース年 Skylake-X / 2017 Kaby Lake-X / 2017 Broadwell-E / 2016 Haswell-E / 2014
CPUコア数 18,16,14,12,10,8,6 4 10.8.6 8.6
インテルTurbo Boost Maxテクノロジー3.0
L3キャッシュ 最大16.5MB 最大8MB 最大25MB 最大20MB
PCleレーン数(CPU) 最大44レーン 最大16レーン 最大40レーン
PCle Gen 3.0
メモリ DDR4-2666 / 2400 DDR4-2400 DDR4-2133
メモリチャンネル数 4 2 4
TDP 140W 112W 140W
ソケット LGA2066 LGA2011-3
コア倍数アンロック

「Skylake-X」、「Kaby Lake-X」、「Broadwell-E」、「Haswell-E」のスペック比較表

チップセット・その他

新しいチップセットX299となり、各種機能が向上しました。
LGA2066へと変更され、従来のソケットLGA2011と同じ大きさですが、ピン数が増加しました。新旧ではピン配置に互換性はなく、X299はCore Xシリーズ専用のチップセットとなります。

チップセットとCPU間の接続がDMI3.0となり、X299側のPCI-Expressレーン、SATA3.0ポート、USB3.0ポートが増加しました。PCI-Express接続のSSDが最大3台まで接続することができます。

インテルOptaneテクノロジに対応し、Optaneメモリーを搭載しHDDなどの大容量低速ディバイスのI/Oパフォーマンスを向上させることができます。

  X299 X99
対応ソケット LGA2066 LGA2011
オーバークロック対応
インテルSmart Soundテクノロジー ×
インテルOptaneメモリー ×
IRST
IRST Raid 0,1,5,10
IRSTのPCIeストレージドライバ対応 ×
IRST PCIe Raid 0,1,5,10 ×
ISRT
I/Oポートフレキシビリティ
ハイスピードI/Oレーン最大数 30 22
USBポート数(USB3.0数) 14(10) 14(6)
SATA3.0最大数 8 10
PCIeレーン数(Gen) 24(3.0) 8(2.0)
IRST PCIeポート最大数 3 0

X299とX99のスペック比較表

モデルナンバーについて

Core Xの製品型番(モデルナンバー)は次のようなルールで命名されています。

Core Xの製品型番(モデルナンバー)についてCore Xの製品型番(モデルナンバー)について

Core X ラインナップについて

「Core X」18コアCPU

  Core i9-7980XE
コードネーム Skylake-X
製造プロセス 14nm
コア/スレッド 18/36
動作クロック 2.6GHz
TurboBoost 4.2GHz
TurboBoostMax3.0 4.4GHz
L3キャッシュ 24.75MB
PCI-Express Gen 3.0
レーン数 44
メモリ 対応メモリ DDR4-2666
チャンネル 4
最大容量 128GB
TDP 165W
64bitコード intel64
インテルOptane
SIMD命令 SSE SSE4.1/4.2
AVX AVX2.0/AVX-512
仮想化 VT-x
VT-d
セキュリティ機能 XD ビット
TXT
AES
vPRO
対応ソケット LGA2066
対応チップセット Intel X299

「Core X」18コアCPU

「Core X」12コア~16コアCPU

  Core i9-7960X Core i7-7940X Core i7-7920X
コードネーム Skylake-X
製造プロセス 14nm
コア/スレッド 16/32 14/28 12/24
動作クロック 2.8GHz 3.1GHz 2.9GHz
TurboBoost 4.2GHz 4.3GHz 4.3GHz
TurboBoostMax3.0 4.4GHz 4.4GHz 4.4GHz
L3キャッシュ 22MB 19.25MB 16.5MB
PCI-Express Gen 3.0
レーン数 44 44 44
メモリ 対応メモリ DDR4-2666 DDR4-2666 DDR4-2666
チャンネル 4
最大容量 128GB
TDP 165W 165W 140W
64bitコード intel64
インテルOptane
SIMD命令 SSE SSE4.1/4.2
AVX AVX2.0/AVX-512
仮想化 VT-x
VT-d
セキュリティ機能 XD ビット
TXT
AES
vPRO
対応ソケット LGA2066
対応チップセット Intel X299

「Core X」12コア~16コアCPUスペック一覧表

「Core X」6コア~10コアCPU

  Core i9-7900X Core i7-7820X Core i7-7800X
コードネーム Skylake-X
製造プロセス 14nm
コア/スレッド 10/20 8/16 6/12
動作クロック 3.3GHz 3.6GHz 3.5GHz
TurboBoost 4.3GHz 4.3GHz 4.0GHz
TurboBoostMax3.0 4.5GHz 4.5GHz
L3キャッシュ 13.75MB 11MB 8.25MB
PCI-Express Gen 3.0
レーン数 44 28 28
メモリ 対応メモリ DDR4-2666 DDR4-2666 DDR4-2400
チャンネル 4
最大容量 128GB
TDP 140W
64bitコード intel64
インテルOptane
SIMD命令 SSE SSE4.1/4.2
AVX AVX2.0/AVX-512
仮想化 VT-x
VT-d
セキュリティ機能 XD ビット
TXT
AES
vPRO
対応ソケット LGA2066
対応チップセット Intel X299

「Core X」6コア~10コアCPUスペック一覧表

「Core X」4コアCPU

4コア版のCore Xは開発コードネーム「Kaby Lake-X」となり、Kaby Lakeアーキテクチャ採用のCPUとなります。こちらは2チャンネルメモリであることや、PCI-Expressレーンが16までとなるなど、「Kaby Lake-S」と比べ動作クロックが高くなったLGA2066版のCPUといえます。価格が抑えられているため、X299プラットフォームを安価に使いたい場合に最適なCPUとなります。

  Core i7-7740X Core i5-7640X
コードネーム Kaby Lake-X
製造プロセス 14nm
コア/スレッド 4/8 4/4
動作クロック 4.3GHz 4.0GHz
TurboBoost 4.5GHz 4.2GHz
TurboBoostMax3.0
L3キャッシュ 8MB 6MB
PCI-Express Gen 3.0
レーン数 16
メモリ 対応メモリ DDR4-2666 DDR4-2666
チャンネル 2
最大容量 64GB
TDP 112W
64bitコード intel64
インテルOptane
SIMD命令 SSE SSE4.1/4.2
AVX AVX2.0
仮想化 VT-x
VT-d
セキュリティ機能 XD ビット
TXT
AES
vPRO
対応ソケット LGA2066
対応チップセット Intel X299

「Core X」4コアCPUスペック一覧表

インテル X299 チップセットについて

LGA2066へと変更され、従来のソケットLGA2011と同じ大きさですが、ピン数が増加しました。新旧ではピン配置に互換性はなく、X299は新しいCore Xシリーズ専用のチップセットとなります。

チップセット X299
対応CPU Kabylake-X / Skylake-X
PCI Express レーンの最大数 24
USB3.0ポートの最大数 10
USB2.0の最大数 14
SATA 6.0 Gb/s ポートの最大数 8
RAID構成 0/1/5/10
PCI-Express 3.0
オーバークロック対応
IRST M.2サポート数 3
インテル® スマート・レスポンス・テクノロジー
インテル®Optane™テクノロジー

X299とX99のスペック比較表

Intel® Core™ X ベンチマーク

インテル Core X の性能について、ベンチマークデータで比較しました。
※ベンチマーク結果はパソコン工房が独自に測定したものです。
※メモリはDDR4-2400を使用しております。

「3D Mark Fire Strike」での比較

3DMark CPU score
Core i9-7900X 22568
Core i7-7820X 20082
Core i7-7800X 17160
Core i7-6950X 21964
Core i7-6900K 19989
Core i7-6850K 16675
Core i7-7700K 14324
Ryzen 7 1800X 19009
Ryzen 7 1700X 17481
Ryzen 7 1700 16465

Core XとCore i7、Ryzenの「3DMark CPU score」でのベンチマーク比較表

「PCMark8(Creative)」での比較

PCMark8(Creative)
Core i9-7900X 7960
Core i7-7820X 7920
Core i7-7800X 7731
Core i7-6950X 7601
Core i7-6900K 7796
Core i7-6850K 7739
Core i7-7700K 8859
Ryzen 7 1800X 7877
Ryzen 7 1700X 7752
Ryzen 7 1700 7431

Core XとCore i7、Ryzenの「PCMark8(Creative)」でのベンチマーク比較表

ライタープロフィール 職人5号

Windows2000登場前からほぼ一貫してPC製造部門に従事。PC組立はもちろん、OSイメージの作成や製造時のトラブルシュートを行う。 その経験を生かしてOSの基本情報や資料室を担当する事が多い。

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