第8世代 Intel® Core™ プロセッサー・ファミリー(Coffee Lake)とは | パソコン実験工房資料室
Coffee Lakeとは
「Coffee Lake」とは、2017年9月に発表された、インテル第8世代 Core iシリーズ プロセッサー ファミリーの一部です。
インテル第8世代 Core iシリーズ プロセッサー ファミリーには「Coffee Lake」のほかに「Kaby Lake Refresh」「Gemini Lake」「Cannon Lake」などが含まれます。
前世代である第7世代の「Kaby Lake」、第6世代の「Skylake」の名称で知られるCPUの後継として第8世代となる「Coffee Lake」が登場しました。
「第8世代」とあるように、Core iシリーズもこれまでに多くの製品が発売されているため、どの時期の、どのモデルかを分かりやすくする目的でインテルの開発コードネームが通称で使われています。
Coffee Lakeの読み方
「Coffee Lake」は「コーヒーレイク」の読み方が一般的です。
※Coffee Lake(コーヒーレイク)は、Kaby Lake(ケイビーレイク)、Skylake(スカイレイク)、Broadwell(ブロードウェル)、Haswell(ハズウェル)等と同様、インテルの開発コードネームです。
※ターゲットセグメント別に同じ「Coffee Lake」でも、「Coffee Lake-S」、「Coffee Lake-H」、「Coffee Lake-U」等と表記される場合もあります。
CPU
- 「Coffee Lake」では、「Kaby Lake」「Skylake」アーキテクチャと比べ、コア数が2つ増え、Core i7とCore i5では6コア、Core i3では4コアのプロセッサとなりました。メインストリーム向けとしてこれはCoreアーキテクチャがリリースされて以来のコアの増加となります。
- 「Coffee Lake」は、「Skylake」アーキテクチャをベースに「Kaby Lake」と同様、さらなる「最適化」が行われたアーキテクチャです。
- 「Coffee Lake」は、「Kaby Lake」「Skylake」同様に「14nmプロセス」で製造されています。前世代と区別して最適化が進んでいるため「14nm++」と言われることがあります。
- メモリコントローラーはDDR4-2666メモリまで対応しました。「Kaby Lake」まで対応していたDDR3メモリは非対応になる点が異なります。
GPU
- グラフィックは新たな名称となり、Intel UHD Graphics 600シリーズとなります。
- 従来のIntel HD Graphics 600シリーズと同様、ハードウェアHEVC 10bit エンコード/デコード、VP9、HDRに対応します。
- Intel UHD Graphics 600シリーズでは、最新のDirectX 12やOpenGL 4.4に引き続き対応し、4K動画などで使用されるCodec HEVCやVP9の10bit/HDR出力に対応しました。 また、5,120×2,880@30pの高解像度をサポートするDisplay Portや、HDMI2.0(※)に対応し、4Kの動画編集など最新技術を駆使するクリエイターにとって最適なCPUとなっています。※実際の搭載ディスプレイ出力端子はマザーボードメーカーの仕様によります。
チップセット・その他
- LGA1151を引き続き使用しますが、「Skylake」および「Kaby Lake」とは互換性がありません。「Coffee Lake」はインテル300シリーズチップセットとの組み合わせの場合にのみ使用することができます。
- 「Coffee Lake」に対応したチップセットとして、「インテル300シリーズチップセット」 - 「Z370」がリリースされます。
- 「インテル300シリーズチップセット」では、インテルOptaneテクノロジに対応しM.2 SSDをキャッシュとして利用できるなど、従来のインテル200シリーズチップセットと同様の機能をもちます。
Coffee LakeとKaby Lakeの比較まとめ
第8世代(Coffee Lake) | 第7世代(Kaby Lake) | |
---|---|---|
製造プロセス | 14nm | 14nm |
コア数 | 最大6 | 最大4 |
スレッド数 | 最大12 | 最大8 |
最大動作クロック | 4.7GHz | 4.5GHz |
キャッシュ | 最大12MB | 最大8MB |
TDP | 95/65/35W | 91/65/35W |
メモリ | DDR4-2666 | DDR4-2400 |
対応チップセット | インテル300シリーズ | インテル200シリーズ, インテル100シリーズ |
PCI-Expressレーン | 16 | 16 |
対応ソケット | LGA1151 | LGA1151 |
インテルOptaneテクノロジー | ○ | ○ |
グラフィック | Intel UHD Graphics 600 | Intel HD Graphics 600 |
HDR対応 | ○ | ○ |
プラットホーム間の互換性について
「Coffee Lake」ではインテル300シリーズチップセットのみでしか動作しません。「Kaby Lake」「Skylake」はインテル200/100シリーズチップセットのみでしか動作しません。
インテル100シリーズチップセット | インテル200シリーズチップセット | インテル300シリーズチップセット | |
---|---|---|---|
Skylake-S | 〇 | 〇 | × |
Kaby Lake-S | 〇(BIOS更新が必要) | 〇 | × |
Coffee Lake-S | × | × | 〇 |
オーバークロックについて
- 「Coffee Lake」では、コア数の増加にともない、より大きな電力を扱えるようになりました。
- メモリオーバークロックがより柔軟に行うことができるようになり、さらにベースクロックに依存しなくなりました。
- 従来ではBIOSだけでしか設定することができなかったメモリのレイテンシーをOS上から変更することができるようになり、メモリの設定をより細かくすばやく詰めることができるようになりました。
- PLLコントロールが拡張され、細かく調整することができるようになりました。
- 使用コア数に応じたオーバークロックの設定が可能になり、1コア以上がアクティブになると低い倍率設定に変更されます。
※オーバークロックの設定は、「K」つきのCPUと、「Z」シリーズのチップセットの組み合わせが必要です。
DDR4メモリのサポートの制限について
DDR4-2666に対応するメモリを使用する場合、使用可能な条件が定められています。下記仕様表のとおりとなります。
※実際の仕様はマザーボードの対応により異なります。「Coffee Lake」ではDDR3はサポートいたしませんのでご注意ください。
Core i7 / i5 | Core i3 / Pentium / Celeron | |||
---|---|---|---|---|
メモリタイプ | DDR4 | |||
メモリ電圧 | 1.2V | |||
コネクタ | UDIMM | SODIMM | UDIMM | SODIMM |
動作クロック | 2666 | 2400(1DIMM/Ch) 2133(2DIMM/Ch) |
2400 | 2400(1DIMM/Ch) 2133(2DIMM/Ch) |
チャネル | 1、2 | |||
チャネル毎DIMM数 | 1、2 | |||
DIMM容量 | 2、4、8、16GB | |||
最大帯域 | 41.8GB/s | 37.5GB/s | 37.5GB/s |
モデルナンバーについて
Coffee Lakeの製品型番(モデルナンバー)は次のようなルールで命名されています。
オーバークロック向け「Unlocked」シリーズについて
モデルナンバー末尾に「K」のつくこのシリーズは、特にオーバークロックに向けた機能、CPUの動作倍率や電圧、メモリ動作倍率を自由に変更することができるシリーズです。 「Z」シリーズのチップセットと組み合わせることでオーバークロックの設定を変更することができます。
Core i7-8700K | Core i5-8600K | Core i3-8350K | ||
---|---|---|---|---|
コードネーム | Coffee Lake-S | |||
製造プロセス | 14nm | |||
コア/スレッド | 6/12 | 6/6 | 4/4 | |
動作クロック | 3.7GHz | 3.6GHz | 4.0GHz | |
TurboBoost | 4.7GHz | 4.3GHz | - | |
キャッシュ | 12MB | 9MB | 8MB | |
PCI-Express | Gen | 3.0 | ||
レーン数 | 16 | |||
メモリ | 対応メモリ | DDR4-2666 | DDR4-2400 | |
最大容量 | 64GB | |||
TDP | 95W | 91W | ||
GPU | Intel UHD Graphics630 | |||
64bitコード | Intel64 | |||
SIMD命令 | SSE | SSE4.1/4.2 | ||
AVX | AVX2.0 | |||
仮想化 | VT-x | 〇 | ||
VT-d | 〇 | |||
セキュリティ機能 | XD ビット | 〇 | ||
TXT | 〇 | × | ||
AES | 〇 | |||
vPRO | 〇 | × | ||
対応ソケット | LGA1151 | |||
対応チップセット | Intel 300 Series |
スタンダードシリーズについて
ワットパフォーマンスに優れるスタンダードシリーズです。 「Coffee Lake」世代ではついに4コアとなったCore i3や、「Kaby Lake」世代のCore i7に匹敵するパフォーマンスを持つCore i5など、全体的な底上げが大きな特徴です。
Core i7-8700 | Core i5-8400 | Core i3-8100 | ||
---|---|---|---|---|
コードネーム | Coffee Lake-S | |||
製造プロセス | 14nm | |||
コア/スレッド | 6/12 | 6/6 | 4/4 | |
動作クロック | 3.2GHz | 2.8GHz | 3.6GHz | |
TurboBoost | 4.6GHz | 4.0GHz | - | |
キャッシュ | 12MB | 9MB | 6MB | |
PCI-Express | Gen | 3.0 | ||
レーン数 | 16 | |||
メモリ | 対応メモリ | DDR4-2666 | DDR4-2400 | |
最大容量 | 64GB | |||
TDP | 65W | |||
GPU | Intel UHD Graphics630 | |||
64bitコード | Intel64 | |||
SIMD命令 | SSE | SSE4.1/4.2 | ||
AVX | AVX2.0 | |||
仮想化 | VT-x | 〇 | ||
VT-d | 〇 | |||
セキュリティ機能 | XD ビット | 〇 | ||
TXT | 〇 | × | ||
AES | 〇 | |||
vPRO | 〇 | × | ||
対応ソケット | LGA1151 | |||
対応チップセット | Intel 300 Series |
インテル 300 シリーズ チップセットについて
「Coffee Lake」対応のチップセットとして、インテル300シリーズチップセットが同時にリリースされました。LGA1151ソケットに対応し「Coffee Lake」のみをサポートします。
チップセットシリーズ | インテル 200 シリーズ チップセット |
---|---|
チップセット | Z370 |
対応CPU | Coffee Lake-S |
最大画面出力数 | 3 |
PCI Express レーンの最大数 | 24 |
PCI-Express | 3.0 |
USB3.1ポートの最大数 | 0 |
USB3.0ポートの最大数 | 10 |
SATA 6.0 Gb/s ポートの最大数 | 6 |
M.2ポート最大数(x2,x4) | 3 |
RAID構成 | 0/1/5/10 |
サポートされるプロセッサー PCI Express ポートの構成 | 1x16 or 2x8 or 1x8+2x4 |
オーバークロック対応 | ○ |
インテル®Optane™テクノロジー | ○ |