お手頃価格な15.6型ノートパソコンの性能をチェック!

ごあいさつ

2016-7-11
はじめまして。6月より親方に弟子入りしました、360度どこから見ても新人!職人番号ラッキーセブン!職人7号です!
さっそく親方からの指令で今回の記事を担当することになりました。動画を使い分かりやすい記事を目指していきます。

39,980 円パソコンのパフォーマンスを検証!

STYLE∞シリーズより低価格で販売中の「Stl-15HP033-C」シリーズは、エントリーモデルでありながら4コアCPUに120GB SSDを搭載した15.6型モデルとなります。

「低価格=低スペック」といったイメージがあると思いますが、実際はどれほどのパフォーマンスなのか、どんなことができるのかを試していきたいと思います!


検証の前にスペックの確認とタブレットPCとの比較

まずは低価格帯のWindows搭載端末といったことではタブレットPCが価格帯も近いことと、2in1などノートPCのような使い方が出来ることから、物理キーボードがあって操作性を考慮した「ノートPC」か、コンパクトで持ち運びに便利な「タブレットPC」で比較をします。

比較対象にしましたのは過去に実験工房でレビュー致しました8インチWindowsタブレット「8P1150T-AT-FEM」です。

※レビュー記事はコチラ (https://www.pc-koubou.jp/blog/tablet_8p1150t.php)


  iiyama STYLE∞ 『Stl-15HP033-C-EES』 iiyama 『8P1150T-AT-FEM』
モデル種別 15.6型ノートPC 8型 タブレットPC
OS Windows 10 Home 64ビット Windows 8.1 with Bing 32bit
液晶 15.6型 HD光沢液晶(1,366×768) 8型WXGA(1280×800) 対応LEDバックライト
カラー液晶 マルチタッチ対応パネル
CPU Intel®Celeron N3160 プロセッサー
(1.6-2.24GHz/4コア/4スレッド/2MBキャッシュ)
Intel®Atom Z3735F プロセッサー
(1.33-1.83GHz/4コア/4スレッド/2MBキャッシュ)
標準メインメモリ DDR3L-1600 4GB DDR3L 2GB
GPU Intel®HD Graphics 400 Intel®HD Graphics
記憶媒体 120GB 2.5インチSirial-ATA SSD 32GB(eMMC)
光学式ドライブ なし
カードリーダー SD(HC/XC)/MMC対応 MicroSD(HC/XC)対応
オーディオ機能 内蔵ステレオスピーカー
内蔵カメラ 前面:100万画素 前面・背面:192万画素
ネットワーク 無線:IEEE802.11 b/g/n対応ワイヤレスLAN
有線:1000BASE-T LANポート
IEEE802.11 b/g/n対応ワイヤレスLAN
Bluetooth Bluetooth 4.0 LE
外部端子 ヘッドフォン端子×1 / マイク入力×1 / USB3.0×2 / USB 2.0×2 / miniD-sub15Pin×1 / HDMI×1 ヘッドフォン端子×1 / MicroUSB2.0×1 / ミニHDMI×1
外寸 約幅378mm×奥行262mm×高さ32mm 約幅207mm×奥行126.7mm×高さ10.1mm
重量 約2.2kg(バッテリー含む) 約370g (タブレット本体のみ)
  • Stl-15HP033-C-EES
    CPU情報(CPU-Z)
  • Stl-15HP033-C-EES
    GPU情報(GPU-Z)

※「Stl-15HP033-C」のCPU情報のプロセッサーネームがなぜかCeleron N3150と表示されておりますが、Specificationに記載のあるとおりN3160が実際の搭載CPUとなります。右下に記載のあるとおり、4コア、4スレッドのCPUとなります。

CPUは共に4コア/4スレッドで動作クロックもほぼ変わらず、キャッシュ容量も同じですがAtom Z3735Fの場合、扱える最大メモリサイズが2GBまでとなる一方、Celeron N3160は最大で8GB(標準搭載メモリは4GBです)となることから搭載メモリの容量の差が生じ、より多くのアプリケーションを起動したり、ワードやエクセル、動画データを多数開く場合などにおいては「Stl-15HP033-C」のほうが余裕をもって作業できます。

また、本体寸法も違い、搭載ストレージ(記憶媒体)でも容量に差があることから常に携帯する情報収集端末としてはタブレットPCは便利な印象ですが、データ管理、編集等は物理キーボードもあり、大きい画面で作業が出来るノートPCのほうが効率が良い印象です。

豊富なインターフェイスも魅力!

様々なデバイスをお手軽に接続出来るのもノートPCの特徴だと思います。
それでは改めて本機の外観を見ていきましょう。

Stl-15HP033-C 液晶画面とキーボード、タッチパッドについて

液晶画面は15.6型HD(1366x768)液晶 を搭載しているのでオフィスワークやWebページ閲覧の際に画面が狭く感じることはありません。

キー配列は日本語仕様でテンキーも付いています。キーボード形態はアイソレーションキーボード、19㎜のキーピッチで打ちやすく、隣接するキーを誤って押すこも少なくタイプミスも軽減されます。 タッチパッドと左右クリックも独立しているので誤った操作が起こり難くなってます。


Stl-15HP033-C インターフェイスについて

その他のインターフェイスは有線LANに加えワイヤレスLANとBluetoothを標準搭載しているので複数の無線機器に接続が可能です。
外付けHDD、Blu-Rayドライブ等の外部デバイスやペンタブレット、ワイヤレスマウス等の入力デバイスを接続出来るUSBポートも左側面にUSB3.0を2ポート、右側面にUSB 2.0を2ポート搭載しているので拡張性もありますし、デジカメ等で撮った写真のデータを記録したSDカードを右側面のカードリーダーで直接読み込む事もできます。


Stl-15HP033-C その他

加えて、100万画素のフロントカメラと内蔵マイク(ヘッドフォン端子とマイク入力端子もあります)をディスプレイのベゼル上面に搭載しているのでSkype等での音声通話も手軽に行なえることが出来ます。
外部出力端子はVGAとHDMIを搭載しており、HDMI出力はなんと4K(3840×2160)30pまで対応となってます!従来のCeleronでは出力できなかったので、この仕様はとてもうれしいですね。


ディスプレイ設定より「表示画面を拡張する」に設定することによりサブディスプレイ側の解像度を変更出来ます。


それではさっそく性能の検証に行ってみたいと思います。

Microsoft Officeを使ってみた

スペック、外観を見てきましたのでココから実際に本機のパフォーマンスを検証していきましょう。

ビジネスユースでのご利用の場合、Microsoft OfficeのWord、Excel、PowerPointを使った作業が多くあると思いますので、動作させてみたところの動画を、外部のキャプチャツール「HD PVR Rocket」を使ってキャプチャしました。検証に使ったデータは”37万文字のWordデータ”と”100MB程の容量があるExcelデータ”、それに”テキストに回転アニメーションの処理を加えたPowerPointデータ”で見てみます。Wordは夏目漱石の「吾輩は猫である」の本文をコピーし37万文字にしたデータを用意し、スクロール、文字の置換え、全文のコピー&ペーストを行いました。

37万文字(原稿用紙925枚分相当)あるにも関わらず、文字のスクロールはカクつく事なく快適な動作を見せ、文字の置き換えは訂正箇所が482件もあるのに動作が重くなることはありませんでしたし、全文のコピー&ペーストも一瞬で終わりました。

Excelでも先程のWord同様にスクロールのテストから行いましたが、データ容量が大きいファイルでしたのでオートスクロールの際にCPU使用率が高くなり、動作にカクつきが見られました。
しかし、オートSUMを使った計算やセル(列)のコピー&ペーストの基本機能は問題なく快適に行える結果となりました。

PowerPointは比較的CPUパワーを消費する回転のアニメーション処理を施してますが、挙動が遅くなることはなく、Wordと同様に快適な動作でした。

YouTubeで動画を再生してみた

ビジネスユース以外のご利用で、ホームユースでWebページの閲覧に加え動画コンテンツの視聴をされる方も多いとおもいますので、YouTubeで高画質な動画を再生してみました 。 使用したブラウザは、標準でインストールされている「Internet Explorer 11」で、ネットワーク環境は内蔵されている無線LANを使用して動画を再生し、CPU使用率と体感的な速度を見てみます。

YouTubeにアップロードされている動画で、主に高画質とされている1080pの動画を選んでみましたが、フレームレートが24fpsや30fpsでは物足りないのでフルHD(1080p 60fps)の動画を再生してみました。
CPU使用率も低く、コマ数の多い60fpsでの再生というのにコマ落ちも無く、実に快適に視聴を行うことができました。


続いてより高解像度な4K(2160p 24fps)動画を再生してみました。
4Kともなると先程の約4倍の解像度にもなりますが、CPU使用率が少し高くなる程度で、こちらも視聴に関してはスムーズに再生することができました。


オンラインゲームをプレイしてみた

上記フルHD(1080p 60fps)動画のようなオンラインゲームのプレイ動画を見ていると実際に遊びたくなってくるのが世の常…。
本機はゲーミングPCではないのでゲーム向けのグラフィック処理に関しては不得意ですが、実装されている”インテル統合グラフィック”では、どの程度のパフォーマンスがあるのかベンチマークテストを使用して確認してみました。

ゲームタイトル 解像度 設定 スコア 評価
ドラゴンクエストX
Windows版ベンチマーク
640*480 低品質 3942 普通
標準品質 3536 普通
最高品質 3276 普通
1280*720 低品質 2788 やや重い
ファンタシースターオンライン2
キャラクタークリエイト体験版 EPISODE4
1280*720 簡易設定1 3492 標準
簡易設定2 643 重い

※上記ベンチマーク結果はそれぞれのゲームの動作を保証するものではございません。

どちらのタイトルもゲーム内設定を最低限に抑えた設定であれば標準的な動作が見込まれましたが、解像度や品質を一つ高くする事によって動作が重くなり、プレイに支障が出る結果となりました。さすがにこういったバリバリの3Dゲームは向かないようです。

クリエイティブな利用では

優れたパフォーマンスでホームユースからビジネスユースまで幅広く活躍するCeleron N3160を搭載した本機は、SENCE∞シリーズでも展開されているイラスト・マンガ描画向けパソコンに実装されているCPUと同等ということで、 Intuos Comic Medium CTH-690/K1を使ってCLIP STUDIO PAINTでイラストを描いてみました。

表示されているツールバーや各種オプション項目の大きさを見てみましたが、小さすぎて操作が困難なところは特にありませんでした。


通常のレイヤーを複数重ねて作業を行っても挙動が遅くなることはありませんでした。
以前に検証したとおり、ベクターレイヤーを多数扱う際や、100以上の大きさのブラシを多数扱う際などの本格的な使用はやや動作が重くなるかもしれません。ですが、ちょっとしたイラストやマンガ描きなら問題なく動作することを確認できました。


お求めやすいエントリーモデル!だった。

ここまでの検証まとめ

・Microsoft Officeの「Word」「Excel」「PowerPoint」は快適に動作しました。
・Youtubeでの「フルHD」や「4K」サイズの動画閲覧を快適に行うことができました。
・3Dオンラインゲームの動作は難しいものの、ブラウザゲームや「Windowsストア」ゲームなどは快適に遊ぶことができました。
・CLIP STUDIO PAINTを起動し、イラストを快適に描くことができました。

オフィスワークやファイル管理、Webページ閲覧や動画鑑賞などには十分なパフォーマンスを発揮しました。さらにはCLIP STUDIO PAINTなどでイラストを描いたり、ブラウザゲームを遊んだりと、パソコンでできることの殆どを十分すぎるほどこなすことができました。

さすがに、高度な3D描画処理を必要とするゲームや、Photoshopでの高解像度データ、動画の編集、エンコードなどといった本格的なクリエイティビティな用途で使用する場合には、やはりその目的に合ったよりパワフルなパソコンが必要となりますが、それはその時です。

「Stl-15HP033-C」は“普段使い”に最適なノートパソコンです。これだけできて4万円以下なのです。驚くほど高いコストパフォーマンスを発揮するオススメの1台ですよ!


執筆:パソコン工房 職人7号